honeybee 102
翌日…水曜日
天気は快晴、気温はちょっと暑いくらい。
風はからっと涼しく、布団に入りながら紅茶を片手に読みかけの本を読む時雨には眠ってしまいたくなるくらい心地よかった。
「ん…ァァア〜!!」
ぐっ、と体をのばし、ふと時計をみるともう昼の3時。
「着替えるか…。」
この部屋に唯一ある青春学園中等部女子制服。
その制服を着て紅茶を一口。
それを飲み切ったのを確認すると、時雨は読み終わったその本を片手に図書館へと歩いた。
「あ、時雨ちゃん、それは青学の制服だね、可愛いね、似合うじゃないか。もう退院かい?」
「あ、梅さん。ありがと!今日退院なんだー。」
「そっか、それはよかったねぇ、これからも倒れない程度に修業頑張ってねぇ」
「うん。いつか"天才女剣士露原時雨"って世界を轟かすから楽しみにしててね!」
「うん、楽しみにしてるよ。」
そう言うと二人は穏やかに微笑むと、静かに手を振った。
時雨は図書館を抜ける。
時計をみると3時半。最後の退院検診の時間だ。
診療室
「おっ来たね!」
「よろしく境先生。」
……………
「ん〜…オッケー!退院おめでとう!」
「よし!!じゃ」
「で・も!」
「体は健康だけど!時雨ちゃんは自分の事考えない癖があるから、あんまり頑張り過ぎない事!特に時雨ちゃんは暑さには弱いんだから、熱中症には充分気をつけるのよ!」
「はいはい!」
「よし!じゃぁいいわ、退院!」
「っしゃぁ!じゃぁね境先生!お世話になりました!」
「ええ!」
と、またも梅さんの時と同様、ひらひらと手をふると診療室を出た。
屋上
「終わったんか?」
「うん。ユッキー、家族は?」
「先に帰ってもらった。時雨はんは?」
「退院くらい一人で十分だよ。」
「そか、つかそれ青学の制服?」
「まぁ。」
二人の待ち合わせ場所、屋上。
「似合うな!」
「はいはい。じゃ、いこうか。」
「そやな!」
二人は病院を出る。
これで3泊4日の病院旅行は終わり。
ごくごく一般的でなんのロマンスもなく、普通に入院生活は終わり。
強いて言うならば転入生にあった事くらいだ。
(これからの学校生活が楽しみやな!!)
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