honeybee 73
*時雨

ついに…

「ここだ。」
「マジでやんの?」

道場(部活)破りが始まってしまった!!!
なんでも剣道部も先週は区大会の団体戦があり来週は個人戦とゆーピリッピリなこの時期が一番ベストらしい!

そして今日は昨年個人戦で全国4位だった名雪冬哉(ナユキトウヤ)と言う人を目当てに聖ルドルフ学院中学まで来た。まだ創立5年しかたってないまだ浅い歴史の学校だけどスポーツ特待生という名目で全国から有能な人材を集めているらしい。


剣部スタイルで私と烈は中に入る。流石創立5年。めちゃめちゃ綺麗だな〜〜。


「ちょっと君!何なんだね!」
「あー?道場破りだ。」
「は…?」
「ちょっと烈」
「……はぁ。ちゃんと許可はとってある。プチ練習試合をしにきた青学の城守烈と露原時雨だ。」
「城守………あぁ、ありました。どうぞ中へ。剣道部は道沿いにいくとあります。」
「サンキュ。行くぞ時雨。」
「はー…やだなぁしみじみやだなぁ。」
「嫌なら走って帰れ。」
「ここどこだと思ってんの!?」


はぁ……道場…じゃなくて部活破りか。何人いるんだろう。あ゙ー〜〜行きたくねーよー!!
いや戦うのはいいよ!?負けないしね?でめ剣道のルールに沿わないといけないなんて…!!しかも竹刀軽くて扱いずらいんだよ!!!

なんて心の叫びも虚しく…


「たのもー」


どーん!と烈はズカズカ稽古場へ入っていった。





「……………。」
「えーっと、青学から来た刺客。師匠の城守烈と弟子の露原時雨。見ての通り女で1年だ。今日は片っ端からコイツと戦ってもらいたい。」
「……露原時雨です宜しく…。」


剣道部の皆さんは目を見開いていた。はぁ…そりゃそうだよ完全不審者じゃん。


「構わないが何故一人なんだ?青学には越前がいるだろう?」


あ、この人が名雪って人かー。甲冑みたいなのに書いてある。魅艶とは全国で戦ったのかな?


「俺達は剣道部じゃないからな。」
「何?」
「個人的な修業だ。」
「は?」
「家業のな。」
「家業?」
「まぁ細かい事はいいだろ。よろしく頼むよ。」


名雪さんは敵意むきだしだ。こーゆーテキトーなタイプ嫌いっぽいな!見るからにそうだもん!


「じゃー順番決めといてくれ。なるべく弱い順がいいな。ラストは名雪、お前がやれ。」
「あぁ。」
「10分あれば決まるよな。時雨、ストレッチ行くぞ。」
「え…あー………うん。」


私はそれから烈の宣告通り10分間ストレッチした。といっても体操しただけなんだけど。


「じゃ、ルールだ。時雨は剣道を知らない。だからちょっとルールを作らせてもらう。約束は8つ。」

「連続技が決まっても1本は1本。」
「制限時間は5分、延長は3分。」
「2本先取。」
「有効打突は頭・腕・胴・のど」
「手足出すの禁止!屈むの禁止!ジャンプ禁止!バック取るの禁止!」

「……ほとんど同じじゃないか。つーか最後の4つはなんだ!剣道なら当然だろう。それじゃぁただの乱闘だ。」
「生憎、家業ではラスト4つしても何の問題もないもんでな。」
「…いったいな」
「さぁやろう!!」


無理矢理ブチりやがった!!





こうして道場部活破りが始まったのだが…


「めーん!」


想像以上にちょろい。弱っ!!なんつーか全体的に鈍い!
ルドルフの皆さんはなんかビックリしてたけどフツーにこっちの方がビックリなんですけど。
つーか竹刀軽くて凄く動き速くなるし!

あっという間に名雪さんの戦いになってしまった。



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