honeybee 19
*第三者視点
それから数日後…テニス部ではついに全国大会へと繋がる大会のメンバー決め、通称"校内ランキング戦"が始まった。
もちろん、
「ぜぇぜぇぜぇ………はーっ疲れた〜〜!!」
「だらしねーな。俺はまだピンピンだぞ。」
「成人男性と女子中学生の体力を同じにしないで下さいー!」
BGの修業中の時雨には微塵にも関係ない。
「1時間休憩だ。」
「やったー!水水ー!食堂行ってきます!!」
「あ、待て!!刀と拳銃も持ってけ。購買までスクランブルダッシュ!」
「絶対テガミバチ見たろ!」
「アリアのケツ最高!」
「うっせ!」
烈の言う通り刀と拳銃をもって購買へ走った。
「はぁっ!おばちゃんファンタ頂戴!」
「もー自販機で買えばいいのにー。はい、クッキー。」
「わーいありがとう!!おばちゃん大好き!」
「もう現金なんだから〜」
そう、クッキーの為に。購買のおばちゃんから時雨は絶大な人気を誇っていた!
「おいしー!」
ファンタ片手にクッキーをかじりながら袴で廊下を歩く。動きずらさを極めるため下駄だ。袴を履き真剣を鞘にいれたまま校内で動いているので目立つが美人な事もあり最早青学名物。
と、その時
「「「わぁぁああああ!!!!」」」
「!!」
外からものすごい歓声。
何かと思い歓声のする方向を見ればテニスコートがあった。どうやら誰かがテニスコートで試合をしているらしい。
時雨はそのまま興味本位でコートに向かて歩いていった。
だが、
「ゲームセット!!」
時雨がそのコートの近くに着いた途端そんな声が聞こえた。試合は終わった様である。
「あーあ、見たかったのに…」
つまらなそうに口を尖らせていると突然陰がかかった。
驚き陰がかかった右の方を見るとリョーマと遭遇。
「変な顔してどうしたの?」
「なんだリョーマか。」
「悪かったね。てゆーか…噂本当なんだね。いいの?剣丸出しで。」
「"剣舞"って事にしてあるから。まさか本物の真剣持ち歩いてるなんて思わないでしょ?」
「まーね。」
「烈に休憩貰ったからクッキーとファンタ食べに来たら歓声が聞こえてさ。どんなに面白い試合なのかと思って歩いてたら試合終わっちゃったんだ。」
「成る程。休憩っていつまで?」
「1時間。」
「じゃぁ俺の試合見ない?」
「次試合?」
「うん。あと5、6分で始まる。」
「…じゃぁ見ていこうかな。」
「……俺の実力見せてあげるよ。」
リョーマは不敵に笑みを浮かべニタリと笑った。
このお誘いで時雨の"侍武勇伝"が出来るのをこの時の彼らは知らない。
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