honeybee 4
イタリア

「ハッ!!」

――ガキィン!!!

「ば、馬鹿な!弾丸を切った!?」
「ふふん、マフィア風情が私に勝てると思うな!」

――ざしゅん…! ドッ!

「腕が!」
「ぐあっ…。」
「大丈夫、死にはしないから。」


ハローハロー。ここはマフィアの聖地、イタリア。私はイタリア警察トップの息子、サフィルのボディーガードだ。今のはサフィルの命を狙ったイタリアンマフィア。

私はまだ弱いけど、皆この容姿に騙される。幹部や多勢には勝てないけどチンピラレベルの男3、4人くらいなら余裕だね!


「あ…ありがとう時雨!」
「ん。サフィル、怪我はない?」
「もちろん!」
「じゃ、さっさと帰ろ。お腹空いた。」


……あれ?何故立たない?


「サフィル?」
「こ、腰抜けちゃった」
「なっ…。ちょっと、警察トップの息子でしょ?私より2つも上何だからアレ位で腰抜かさないでよ…。」
「だって〜」
「……はぁー。顔はいいのに彼女が出来ない訳だ。サフィル、男は優しいだけじゃダメだ、強くないとね!」
「無理ぃい!暴力なんてノーサンキュー!平和が一番!」
「喧嘩しろとは言ってない。そのチキン何とかしなよって話。」
「手厳し〜」
「んな事ないですー。」


そう言いながら腰を抜かしたサフィルを起こして屋敷に戻る。
道を歩きながら考えた。

もうすぐイタリアに来て1年。つまり、契約が切れる。小1から3年まではアメリカ、一昨年と昨年に中国、今年はイタリア。来年はどうなるのだろう。久々に日本で普通の女の子として暮らしたいなー。てゆーかね、うん。日本人の友達が一人しかいないんだよね。故郷なのにね。


「時雨…?」
「ん?」
「どうしたの?歩くのものすごいスローペースになってるけど。」
「あー。来年はボスにOFFシーズンにしてもらえないかなって。」
「えっ、OFF!?それって俺に嫌気が指したから!?」
「は?」
「い、嫌だよ!行かないで時雨!俺強くなるから!!」
「サフィルは関係ないよ。久々にのんびり過ごそうかなと思ってさ。」


サフィルは今にも泣きそうだ。


「これは私の人生。護るのが私の生きがいだけど、それを指図される覚えはない。」
「!!!」
「まぁ、今のは言いすぎだけど、別に死ぬ訳じゃないし。てゆーかまだボスに頼んでもないから。」



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