rabbit 20
「螺旋丸とか出来ねーのか?」
「いやあれ本当難しいからね。ちっこいのは頑張ればできるけど実践じゃ無理無理。よくあんなの出来るよねー。」
「まぁナルトは影分身して役割分担してるけどな。」
「それでも凄いよ!」


宿につきまきびしで怪我した足を消毒、治療。医療忍術の話をしていたはずなのにいつの間にか話がずれてるというのは不思議だ。


「やっぱり忍術が少な過ぎるのが問題なんだよね。」
「…千鳥は?あれ属性変化だけだぞ。」
「形体変化だけの螺旋丸だって無理なんだから千鳥だって無理だよ。それ以前に私水遁しか使えないし。」
「水遁だけ!?」
「いや結構普通なことだからね。」
「口寄せは?」
「契約してない。」
「暗器もヘタクソそうだしな。」
「うるさいな。」


反論しないところを見ると図星のようだ。


「リーやガイから八門遁甲習えば?」
「いやぁ…あれは絵面がちょっと…」
「あぁ…まぁ、うん、わりぃ。」
「何かないかねー。」
「体術と剣術を併用したらどうだ?アスマのチャクラ刀みたいに。」
「チャクラ刀かぁ…。」
「……お前本当凡人だな。」
「サスケだって写輪眼意外似たようなもんじゃん。」
「俺首席卒業なんだが?中の下。」
「何で私の順位まで覚えてんのよ嫌味なやつ!」


あ、いや、好きだったからなんだけどな!


「サスケだって影でこそこそ練習してたでしょ?」
「!」
「サスケもネジも天才何かじゃないよ。自惚れんなバーカ。本当に天才なのはリー先輩だけだから!」
「………。」
「あ、あれ………?」


だから俺は、お前が好きなんだ。


「じゃあ、カカシも凡人か?」
「カカシ先生だって火影様だって、イタチさんだって凡人だよ。」
「!」
「私は…ナルトやサスケの方が強くなると思う。いや、絶対!」
「……当然だろ。ま、ナルトなんか俺の足元にも及ばないがな。」
「どーでしょうね。」


兎京もイタチへの復讐なんてくだらねぇって思ってんのかな。まぁ、例え兎京がどう思おうがそれだけは折れることが出来ないが。


「もう明け方だけど寝よ?」
「明日も姫抱きしてやろーか?」
「断る!」










翌日

兎京は本当にまきびしを踏んだのか疑問に思うほどびゅんびゅん森を突っ走っていた。昨日ボコボコにしたのが利いたのか強盗もやってこずスムーズに進む。

今更ながらあの箱には何が入ってんだ?それを聞いたら折角築いた兎京の信頼が消えそうだから聞かないが。

ーーて、信頼築いてどうすんだよ、早けりゃ明日にも海の国に到着するのに。


海の国についたら俺と兎京はきっともう、二度と会わない。


「足、大丈夫か?」
「うん。バッチリテーピングしたし!」



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