rabbit 57
「誰だお前!?」
「俺はアヤタカ。お前、うちはサスケだな?」
「!」
「安心しろ、俺は敵じゃねぇ。…そんな事より、兎京どうしたんだよ!?とにかくウチに入れ!!!」


サスケはアヤタカに言われるがまま、家に入った。看板には"アスカ"と書いてある。


「クラン!どーしよ兎京がやべー!」

――ガラッ!

「うるさいわね、兎京がどうし…兎京!?!?」


クランと呼ばれた女は兎京に駆け寄る。


「……チャクラの使いすぎ…か…お前がうちはサスケだな?話しを聞かせて貰うぞ。」
「ど、どうしよう!そ、そうだ我愛羅を!!我愛羅ぁぁあ!!」
「うるさい。とりあえず布団出して。」


アヤタカが布団を出すとサスケは兎京をそこに寝かせる。

そうして全てをクランに話した。イタチとの戦い、真実…、全てを。





「……………はぁー。」


これ見よがしにクランは盛大なため息をつく。


「成る程…。とんだ未熟者だな。」
「………」


サスケは返す言葉もない。


「まぁ、アンタもアンタなりに頑張ったんだろう。兎京もきっと許してくれるさ。」
「…………兎京は、大丈夫なのか?」
「急激なチャクラの使いすぎと疲労により意識を飛ばしただけ。大丈夫、しばらく寝とけば治る。」
「そうか…。」


とりあえず、ホッと一安心だ。


「サスケも大分疲れてるみてーだな、俺ら忍術はからっきしだが応急処置くらいならしてやるよ。」
「あっ……」


そう言われて初めて気付いた、クランもアヤタカも義手なのだ。クランに至ってはさらに足も。アヤタカは片耳に補聴器を付けていた。

兎京がここを飛び場所にしていた理由にサスケはやっと気付いた。――だが、処置をしようとするアヤタカの手をサスケはパシッっと弾いてしまう。


「やめろ。……俺は、そんな資格ない…」
「何言ってんだ。」
「俺は、イタチを殺し、兎京までこんなにした。俺は…」
「ヘドが出るほどバカだな。兎京が起きたとき、お前がそんなんだったら兎京が悲しむでしょ、つべこべ言わずに処置を受けろ!」
「……」
「やるからな。」


アヤタカは処置に取り掛かる。






別室。

サスケは治癒が終わり、兎京の隣で眠る事になった。


「気分はどーだ?」
「悪くない。」
「そうか、よかった!サスケ、俺はアスカにの局長なんだけどさ…」
「…局長!?クランって奴の方じゃなくて!?」
「局長は俺だよ!ちなみに他の研究員はしばらく春休み中だからいねーぞ。って、それもどうでもいいから置いといて……、ここには、貧困な民から上流貴族や忍達がたくさんくるんだ。無くした手や足を取り戻す為にな。」


そういうとアヤタカはニッ、と笑い、サスケの頭を撫でた。


「サスケは、大丈夫だ。兎京も、決してサスケを責めたりしない。ぐっすり眠れ。」


それだけ言うと、アヤタカは部屋をでていった。アヤタカがアスカの局長であることとさっきの言葉の意味にんの共通製があるのかは解らないが4つや5つ違うだけでアヤタカの二言三言の言葉には威厳があり、優しくて、素直に心に入ってしまうものだった。

年齢がイタチと近しい事も一つの理由だったのかもしれない。

サスケは兎京の方を見て、一滴だけ枕に雫を落とすと、すぐに眠りについた。



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