rabbit 38
ザザザザッ


「はぁっ、はぁっ、」


流石に、全速力でずっと走ってると疲れるな。

そこで初めて私は気付いた。こんなんじゃサスケの所に着く前にバテる。ましてや復讐を食い止めるなんて出来る訳がない。

もっと早くアレを口寄せするべきだった。


「口寄せ、シャウト!」

ぼぉん!

「クルックー」


煙とともに現れたのは速さで有名な大鷹鷲(ダイオウジュ)の群れのボス。ここから少し離れた樹海に住んでいるのだが大蛇丸が私に口寄せ動物としてプレゼントしてくれたのだ。まぁ、その樹海の番人とも言える知り合いに大蛇丸の部下になった事をめちゃくちゃ叱られた話はまた今度、という事で…。


「シャウト、悪いけど早速任務だよ!」
「クルックー!」


物凄い速さで上空へ飛び立ち、サスケがいると思われる方向へ一直線に向かった。





「ん?」

しばらくすると下に大きな黒い炎を発見。双眼鏡を覗き込むとボロボロになったサスケとイタチさんとおぼしき人物が見えた。


「よし、見つけた…!!」


ナルトと全く同じ反応だな、なんて思う片隅でやはりサスケは復讐に駆り立てられたんだと、少し切なくなる。

サスケの話ではイタチさんはうちはを壊滅させた張本人らしいけど、あの暖かいサスケのお兄さんが正直悪い人には思えないんだよね。

――なんて、サスケには言えないけどね。私はサスケのイタチさんへの憎しみが解らないから。


「シャウト、あの近くに着陸して。」
「クルックー!」


緩やかにシャウトは下降する。爆発音や雷の音がどんどん大きくなって行った。

再会まで、あと少し。



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