Mermaid 76
ファッションショーも済み、サハラ達はまた大広間へ。乙姫のペットである巨大な‘竜’を見ようと5人と乙姫は廊下を歩いていた。

そんな時、


「!、乙姫様、その方は誰ですか?」
「あぁ、浦島さん、こちらは‘海坊主’を倒したサハラ様、鋼牙様、銀太様、八角様、そうして浦島さんと同じように亀を助けた浦島さんです。」
「浦島!?同じ苗字なんて奇遇ですね。浦島利助です。」
「浦島太郎だ。よろしくー!」


人発見!

二人の浦島はそう握手を交わす。
浦島利助と浦島太郎。だが…


「浦島……利助!?」
「はい。どうしたんですかサハラさん。」


今までサハラと一緒にいたのは浦島利助。
‘浦島太郎’伝説の浦島は前から竜宮にいた先輩浦島、浦島太郎なのであろう。
つまり、サハラは勘違いをしていた。


(そうだよね、たまたま会った漁師が浦島太郎で、しかもたまたま亀を助ける所に居合わせるなんてある訳ないか。あの「浦島太郎」はこっちの話だったんだね!)


「太郎さん、いつくらいからここにいらっしゃるんですか?」
「えーーっと…三年かなぁ………三年!?!?」
「どうしたのですか?」
「あ、いや……今更ながら三年も竜宮にいたなんて驚いて……。あまり竜宮が楽しいからうちへ帰ることを忘れていたよ。」
「どんだけだよお前」
「まぁここにいると時間の感覚わかんなくなりそうだけど。」
「そろそろ帰ったら?親も心配してるんじゃないか?」
「ですよね…。お父さんやお母さんは今頃どうしてるんだろう…。」


(あれ、この展開って……。)


それから、サハラ達は乙姫の竜と遊んで、夜はまた宴をし、サハラは乙姫と一緒に睡眠。
こうして竜宮旅行初日が終了。

その後も竜宮の中は不思議がいっぱい。乙姫が「友達とやりたかった事」を叶えとあげようと色々しているウチに3日がたってしまった。





浦島利助と会ってから6日目


まだわいわいと騒いでいる鋼牙一行&利助に反比例して、浦島太郎はどんなにおいしいごちそうが出ても、どんなに面白い歌を聞いてもふさぎ込んでばかり。
乙姫はそれがとても心配だった。


「太郎さん、どうなさいました?お加減でも悪いのですか?」
「………あの……。」
「?」
「うちへ帰りたくなりました…。」
「えーっ!太郎帰るのか!?」
「まぁ3年だからな…。」
「まだ3年です!太郎さん、もうしばらく遊んでいって下さい。まだいらっしゃったばかりですよ。」
「まことに残念ですが、これでおいとまをいたします。うちでもきっと心配していますから。」



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