Mermaid 96
翌日。早朝。

コンコンコンコン!!

「サハラ様サハラ様!!」

コンコンコンコンコンコン!!!
ガチヤッ


「……、何」
「聞いて下さいサハラ様!!」
「はい?」


騒々しい。が1番似合うであろう。
メーア王子は激しくドアを叩いた。


「僕…運命の人に会っちゃったんです!」
「は?」
「僕、この前海で遭難したんです。その時助けて下さった少女の夢を今朝見たのです!」
「へぇ。」
「その人物が今ここに!入って来て!」


メーアの呼び声により少女が一人入ってくる。
金髪青目のかわいらしい少女。


「セスタって言うんです!」
「はじめまして!セスタと申します!」
「こらテメー!サハラに近づくなケダモノー!!」


それに続いて物凄い剣幕の鋼牙もサハラの部屋へ。


「やいテメー!寝込みのサハラを襲うなんて用心棒の俺が許さねーぞ!!」
「…、用心棒、あれがメーア王子じゃなかったら私殺されてたかもよ。」
「じゃぁ今日から一緒に寝よう!」
「阿保か。」


とにもかくにも、そんな訳でラグーンの恋のライバル登場である。
言うまでもなくセスタ。容姿はラグーンの様になっているが間違いなく「セスタ」だ。


「あなた、メーア王子を助けたの?」
「はい!」
「へぇ。」


(嘘だな。)


「……。でも、こいつラグーンにぱっと見似てんな。」
「ラグーン?」
「僕の妹的存在だよ。すごくかわいらしい女の子なんだ!笑顔がキラキラしてて、きっとセスタも気に入るよ!!」
「まぁ楽しみ!」


とんだ棒読み発言。メーアが溺愛する女の子の存在に焦っているのだろう。鋼牙が折角気づいてもらおうとラグーンの名を出しても効果は0とは随分と抜けた王子だ。



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