Mermaid 87
ドシャッ

「ぐぁっ!」
「ん…」
「いてて……大丈夫かサハラ?」
「大丈夫。」


二人はどこからか落とされる。
咄嗟に鋼牙が下敷きになったためサハラに怪我はないが鋼牙は腰が痛いと喚いていた。


「あれ…乙姫?」
「ぬおっ!?サハラなんちゅー格好してんだよっ」
「は?」

ばふっ

「何?」


鋼牙の胸に押し付けられる。


「む、胸がっ」
「……あ、人魚の姿になってる、なんで…。ってゆーか乙姫は…!?」
「あ、!?」


胸には白い貝殻が着いていて、足は赤い鱗が煌めく魚の姿になっていた。


「人魚……」
「乙姫はどこに…」
「すげぇ綺麗!!!」
「ちょっ」


鋼牙はサハラを持ち上げ高い高い。そのまま腕に納めた。


「こら」
「へへへ」


にんまりと鋼牙は笑う。
その時、


「……、…!!」


金髪青眼のかわいらしい女の子が二人の元へやってきた。


「どうし…、!!」
「おっと…」
「歩けない…」


よたよたと何かの痛みに耐えるように顔を歪ませてる彼女の元に歩み寄ろうにもサハラの足はヒレ。歩けなかった。


「サハラ、俺が抱くからおとなしくしてろって」
「う、うん。」


サハラを姫抱きにすると鋼牙はその少女に近づく。


「……、!!〜〜!………」


身振り手振りで何かを伝えてくる。どうやら喋れないらしい。


「声、出ないの?」


少女はうなづく。


「字はかける?」
「…」
「ダメか…、」

つんつん、

「?」


少女はサハラの足をつんつん、とつつきそれを指差した。


「貴女も…人魚だった?」


こくっとうなずき少女は今度はサハラの胸をさした。


「…貝?」


少女は自分の手を指差し、もう一度に指を向ける。


「あ。」


貝殻と胸の間には黒真珠が入ったお守り袋があり、少女は黒真珠を握るように手でジェスチャーをした。
サハラも同じように黒真珠を握る。


ふぁぁあ!!

「「!」」


黒真珠は光りを放った。やがてその光りは失われ、爪が赤いマニュキアを塗ったかの如く赤くなる。
少女に手を握られた。



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