vampire 44
6月4日、19:17


「あっ!!」


事件発生。





「……日和、どうしたんだ?」


トントントン、と台所から響くのは野菜を切る音。宝は毎日、猫対策と獄寺の仕事の手伝いをするため獄寺の家に通っているのだ。現在、瓜は宝のひざの上。獄寺は料理中。宝は…………

ぴたりと静止したまま。


「…獄寺…私、どうしよう…………。」
「書類関係か?それくらいなら別になんとでも…」
「や、そーじゃなくて……通販を、ですね…」
「は?通販?」


猫である瓜の存在にいささか緊張していた宝だが、今は比べものならないくらいの冷や汗をかいていた。


「すっぽんの生き血…あれ通販でしか売ってなくて…」
「だろうな。」
「私は毎月、あれを買ってたんだよ。大量に。」
「…もしかして……」
「そう!買うの忘れた!!」


事件とはコレだ。


「今日何日!?」
「4日。」
「だよね!?!?あぁ…すっぽんは毎月一日に売り出される。つまり……もう間に合わない。」


ボールペンを握りながらうなだれた。そんな宝を見て獄寺はため息をはく。


「俺の血飲めばいーだろ。」
「一月だよ一月!?!?獄寺倒れるから!!せめて獄寺の血がまずかったからなぁ……つい飲み過ぎちゃうんだよね、全く罪作りな男だぜ。」
「そりゃー悪かったな。」
「スッポンの生き血は生産量少ないからなー…。しかもアレ超美味しいからすぐに売切れるし…!!」
「魚とか肉は?」
「その辺に売ってる肉や魚にそんなに血があるわけないだろー?…現地まで行っても血貰えるわけないし。………はぁー…。」


ジューッ

宝のため息と野菜を焼く音が重なった。


「…お前は気ぃ使い過ぎ。大体なんで通販忘れたんだよ。今までずーっと頼み続けてたんだろ?」
「貴様のせいじゃい!楽しくて忘れてた!!」
「全然俺のせいじゃねーじゃねーか。」
「うるさいっ!」
「じゃぁ責任とって俺の血やるよ。」
「な…!!」
「はい、一件落着だな!」
「嵌められたァ!!」



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