vampire 325
*獄寺

『スリーアウト!攻防チェンジ!』

翌日。俺達は山本の試合を見に来ていた。
7回表が今終わり、7回裏、ピッチャーは勿論野球馬鹿で、次のバッターは山本だ。


「山本ファイトー!」
「いっけー!」
「頑張れ山本くーん!」
「…………。」


甲子園関係の結構大切な試合らしい。てゆーか甲子園あるなら日和の歓迎会来ない方がいいんじゃないのか?
つか来るな!!


「………………」


野球馬鹿はいつになく真剣で、


カキィィン!!!
「「「おおおお!」」」



この回が第一バッターである事が勿体ないと思える程綺麗にボールは孤を描いてホームラン。
悔しいが、女が野球馬鹿を見てキャーキャー騒ぐのもこのバッティングを見ると納得できた。


「山本ナイス!」
「ははっ!1点ゲットなのなー!」


ホームベースに戻ってきた野球馬鹿は仲間達とハイタッチをして、こちらに向かってVサインを送っていた。


「ツナー!笹川ー!宝ー!獄寺ー!ちゃんと見てたかー!」
「勿論!これで2回目のホームランだね!」
「この調子で頑張って!」
「凄い山本超かっこよかったよ!!」
「…フン、十代目に恥かかすんじゃねーぞ。」
「ははっ!任せろ!」


正直野球のルールはよく解らん。
前山本が説明していたが効果音ばかりでよく解らなかった。


「田所!頑張れー!」
「山本に続けー!!」
「おう!ペース持ってってやるぜ!」


次のバッターは田所、らしい。
現在並高は4点リード。満塁ホームランなら逆転されちまう点差で大事な試合というだけあって相手もなかなか強い。

確か野球は延長戦がなけりゃ9回で終了するはずだ。さて、逃げ切れるか…?


「アウト!」
「アウト!」

「ストライク!」
「ストラーイク!!」


7回裏、走者は1、3塁。2アウト2ストライク。これでホームランになればさっきの山本のを含め点差は8点。勝利はほぼ確実だ。
だが現状はそう上手くいくはずもなく、


「2塁アウト!」
「セーフ!」
「1塁アウト!」


何とか1点をゲットし点差は6点。

『攻防チェンジ!』

8回表、流れは完全に並高ペースだ。



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