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「お前さ、俺の名前どう思う?」
「…………。」
「黙んなよ」

今日の一時間目なんだっけって考えてた時に前の席のブン太にこんな事を聞かれた。
名前?ブン太の?ブン太って名前をどう思うって?

「すごく良い名前だと思うな」
「目ぇ見て言えよ」
「ごめんちょっと戸惑っちゃって」

いきなり何ですか。
というかどう答えるのが正解なのか分からない、正解のない問題を出すのはやめてください。あれですか、俺天才だから正解なくても作っちゃいますとかそういうあれですか。
話がずれた。私は首をかしげながら彼の質問の意図を読もうとする。

「なんで?」
「昨日ジャッカルと言い合いして冗談みてぇな頭しやがってって言ったら冗談みてぇな名前しやがってって返されたから」
「…………(小学生か)」

というかジャッカル君可哀想。すごく可哀想。
冗談みたいなとかあの人スポーツマンだから、仕方ないよ。清々しいよあのスキンヘッド。
そしてジャッカル君の返しもさりげなく酷い。ブン太に酷いというよりはブン太の両親に対して酷い。

「名前なんて自分で決められないんだから、好きになるしかないんじゃない?人の名前羨ましく思うのは皆あると思うな」
「お前も?」
「うん、一時期自分の名前を改名してみたいと思ってた。正直今でもちょっと思う」
「名前」

ブン太がいきなり真剣な顔して私の名前を呼んだ。

「な、なに?」
「名前」
「ちょ、ストップ」
「お前が好きな俺が呼んでんだからお前の名前好きになんだろぃ?」
「それなんて俺様発言?」

それでもちょっとドキッとしちゃったよ。
単純だよ私。知ってるよ。好きだもん。

「そーだ、お前これから俺の言うこと繰り返せよ」
「え?」
「丸井」
「ま、丸井」
「名前」
「名前…?」
「くっつけて言ってみ」
「丸井、名前。…………!!」

顔がじわじわ熱くなってく。
目の前のブン太も嬉しそうに楽しそうに笑ってるものだから何だかおかしくて私まで笑ってしまった。きっと今顔真っ赤なんだろうな。

「なかなかいんじゃね?いつかお前の名前になっから練習しとけよな」
「ブン太、気早すぎ」
「嬉しいだろぃ?」
「う、……まぁ」
「さっさと大人になりてぇな」
「……おまんら今SHR中じゃき」

*****
私は名前の中に"澄"が入ってるのが可愛いと思ってました。香澄(かすみ)とか伊澄(いすみ)とか。
そして仁王、誕生日おめでとうございました。出番少なくてごめんなさい。