口先から愛を(仁王)
「っ、……にお、せんぱい…」
「んー？なんじゃ」
「なが、い……です」
「バテたんか」

仁王はくたり、と自分に寄りかかる名前の頭を撫でる。

「ふ…可愛いのー名前は」
「におう、先輩のキス……ながいです」
「俺はまだまだしたりないんじゃが」
「肺活量化け物ですか」
「それはジャッカルじゃ」

仁王は名前を抱き締めながら首筋や耳に唇を落としていく。すぐ傍で響くリップ音に名前は肩を震わせた。体を離そうとするがぐっと引き寄せられてツ、と唇で首筋をなぞられる名前。

「ひ、……ちょっ」
「お前さん、肌白いのー」
「先輩こそ……」
「なぁ、こっち向いてくれんとちゅーができん」
「まだするんですか……？」

顔を少しだけ上げると顎をくいっと持ち上げすれすれのところまで顔を近付ける仁王。
そしてそのまま距離を0にする。軽く触れ合いすぐ離れ、角度を変えてもう一度。
それを何回か繰り返してから軽く名前の唇を舐める。震えながらもほんの少しだけ開いた唇をもう一度塞ぎ、深く深く口付ける。

「ん、っ……」

目を閉じて必死に仁王を受け入れている名前をこっそり見つめて仁王は満足感を感じた。唇を離してトロンとした目を向ける名前の額に唇を落として力をこめて抱き締める。

「好いとおよ、名前」
「ん、……わたしもです」

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べったべたに甘いのを書きたくて。