秘め事

アイドルへの道を目指し2日が過ぎようとしていた。
実はこのことを総悟に言っていない。
近藤さん、土方さんからもイベントに参加することは総悟には黙っていてほしいとのことだった。
当然といえば当然だ。あの総悟がこんなイベントに出るなんて知ったら…。考えるだけでも怖い。


「おい、華」

「何?」


秘密にするというのは心苦しいが、これは仕事だからと自分に言い聞かす。
総悟は間がやけに鋭いから気をつけないと…と思っていた矢先。


「オレに黙ってること…ねぇか?」


いきなり確信ついてきたぁあぁ!!
冷静を装い、ないよと返事をしたが、目つきから疑っていることが伺える。


「へぇ…目、泳いでやすよ?」

「本当…だって…」


いきなり総悟に組み敷かれた。
ちょっと待って、ここは居間!!真選組の居間だからぁあぁ!!!!


「ちょっと総悟!?」

「何でィ」


何でィじゃないわよ!!と返すが、総悟は離れてくれなかった。


「なーに隠してんだィ。華ちゃん?」

「だから!!別になにもっ…!!」

「へぇ…そうかィ。このまま公開プレイをご所望かィ?」

「話します!!全部話しますううぅぅう!!!」


最初からそう言えばいいんでィ。と言い、座り直す私。
、“アイドル発掘☆大バトル"のチラシを総悟へと渡した。


「なんでィ、こりゃあ…」

「これには深いわけが…」


近藤さんと、土方さんに心の中で謝りながら、事情をすべて話す。
チラシをびりびりと破る総悟からは不機嫌なオーラが漂っていた。


「オレに相談もなしに決めやがって…」

「だって…総悟と旅行…行きたかったんだもん…」


はぁ、と一息ため息をつかれる。
内心、ヤバイヤバイどうしよう…と考えていると、予想もしない言葉が飛び出す。


「松平のとっつぁんが絡んでるんじゃしょうがねェ」

「…いいの?」

「本当は、すげぇええ嫌なんですがねィ」

「う…」

「オレも、華と旅行行きてぇし」


今回だけは大目に見てやらァ。とデコピンをされた。


「だけど、露出は禁止な」

「はい」

「あと、ほかの男に色目使うのも禁止な」

「使わないよ」

「あと、ほかの男に笑顔向けるのも禁止な」

「いや、アイドルのに笑顔なしは…」

「あと…」

「ごめん、総悟!?“あと"ってどれくらい続くの!?」

「まだまだ言いてぇことはありやすぜィ」


この後、永遠に禁止事項を言われ続けた。
とりあえずうんうんと頷いてその場をしのぐことに成功をしたのだった。


(あ、後オレに内緒にしてたってのはいただけねェ…。今日の夜躾しなおしてやるよ、華ちゃん)

(本当にごめんなさい!!)





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