02


目を覚ましたら、一面の白だった。
前にも一度、見たことがある。死んだら、ここの向こうに行くのか。

「……俺は、死んだのか…」


白い世界で俺は呟く。軍服は血に濡れ、綺麗な青が赤く染まっている。


『いや、死んでないぜ』


ふと聞こえた声に目を見開き驚いた。死んでない…?
俺は、まだ…生きてるのか…?


「どういうことだ、真理…」

『そのままの意味だ。まぁ、ちょっとあっちの世界には戻れないけどな。その代わり、腕と足は返してやるよ』


真理の言葉に首をかしげ聞き返そうとしたときだった。
俺の後ろにあった門が開き、中から黒い手が何本も現れ、身体を拘束していく。

「は? どういう事っちょっ…! 話は終わって…!」


しかし、時は既に遅し。真理はにやりと笑い、門は閉まった。
そして、俺の意識はだんだんと闇に落ちていった。

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