二回の窓は割れてるし、もしかして人は住んでないのかな…。でも、暖炉に火はついていたし…。
うむむ、謎だ…。
考えても、答えは出ないため、家から出て先に進むことにした。道が続いているということは、村とかあるだろう。多分。
道なりに進んでいけば、小さな小屋があった。中を覗いてみれば、おじさんが作業をしていた。
やっと人を見つけた…! と喜んでいるのもつかの間。この場所を聞かなくちゃ駄目だ。
「あの、すみません」
湊が声をかければくるりと振り向くおじさん。その顔は怒りに染まっていた。え、ちょっと待って。勝手に入ったのは、悪いと思ったけど、何でそんなに怒ってるの。
「Largate cabron!」
ファッ!? 何語!?
え、えっ。マジで何て言ったの。慌てている湊をよそに、おじさんの手には先ほどまで握られていなかった斧を持って、湊に襲い掛かった。
「うわっ、あぶな!」
寸での所で避ければ、おじさんから距離を取った。そこで、湊は思い出した。この状況に、似たゲームをしたことがあることを。今思えば、さっきの家も回りに生い茂っている木もすべてがあのゲームにそっくりだった。
ということは、このおじさんはガナードってことになる。あれ、マジで逃げないとやばくないか?
「嘘だろ…え、トリップって奴…?」