それから、ルイスが捕らわれている家の中に入った。家の中には罠が仕掛けられていたので、引っかからないように撃って爆発させた。
「あれ、動いてるね」
ルイスが入っているクローゼットを指差す。レオンは警戒しながら近づいていった。
「ミナト、何がいるか分からないから隠れていろ」
ルイスが入ってますよー。なんて言えないので、素直に隠れることにする。部屋の外に出て本でも物色することにした。でも、何て書いているか分からないので元の場所に戻しておいた。
レオンのところに戻ろうと振り向いた瞬間。
「うっそー…」
村長さんがいました。そして、取り巻きのガナードが2人。これはやばい。というか、すっかり忘れていた。
ど、どうしよう。どうやって逃げよう。
村長とにらみ合ったまま動かない。いや、動けない。冷や汗が垂れる。
「Agarralo.(捕まえろ)」
「えっ!」
村長が発した言葉に湊は一瞬油断してしまった。何て言ったのかは分からないが、嫌な言葉なのだけは理解した。油断したその隙に、ガナードが湊に掴みかかった。
「ちょっ、うぁっ! ……れ、おん…」
そして、そのまま振りかぶって投げられた。どんな馬鹿力だよ、と思うもいきなりのことで受身も取れず床に叩きつけられた。そして、薄れ行く意識の中、ふとレオンの顔が思い浮かんだ。
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クローゼットの中には男が入っていた。両手を縛られ、口にはテープまで張られていた。
レオンは口に張られているテープを勢いよく剥がした。
「ゆっくり剥がせよ」
「あんた、奴らとは違うのか?」
「あんたはどうなんだ?」
「一つ大事なことを教えてくれ。タバコはあるか?」
「ガムなら」
縄を解いてやりながら男の問いに答える。縄は意外と簡単に解けた、転がって距離を取れば大事なことだと、タバコを要求してきたがレオンは非喫煙者だ。
その時、村人が現れた。男は「ヤバイ」と口にしている。現れたのは、2人の村人と大きな男だ。
村人に担がれているのはミナトだった。意識はないらしく、腕はだらりと垂れていた。
「ミナト!? くそっ」
つい頭がかっとなり、レオンは村長に向かって蹴りを放っていた。しかし、蹴りは簡単に受け止められてしまいそのまま宙へ投げられた。クローゼットと男を巻き添えにし床へ叩きつけられる。
ミナトを助けなければ、と思うも意識を保ってはいられずそのまま霞んでいった。