「人探しだ。大統領の娘を探している。ミナトも付いて来い」
レオンに差し伸べられた手を取り立ち上がった。そして、手渡されるのは、一丁の銃。ハンドガンだ。ずしりとした鉄の重みに思わず凝視してしまう。
「レオン、これって…?」
「護身用だ。持ってろ…撃ったことは?」
「ハワイに行ったとき撃ったことはあるけど…。構え方ってこうだっけ?」
一度、両親と旅行でハワイに行ったときに射撃を体験したことがあるがそれも数年前の話だ。うろ覚えなので、ちゃんと構えが出来ているかレオンに確認を取った。銃って、下手したら脱臼とかするからね…。
「上出来だ。格闘経験はあるのか? さっきの踵落としは凄かったが」
「えっ? あぁ、空手とか柔道はやったことあるよ。それ以外は映画とかゲームでの受け売りだよ」
そんなに凄いのかな?
いや、自分でもあんな簡単に出来るとは思っていなかったけど…。
「それじゃあ、行くぞ。俺から離れるなよ」
「うん、分かってるよ」
レオンから離れた途端ガナードに殺されました。なんてことになったら洒落にならないからね。なるべく、レオンからは離れないように行動しないと…。
道なりに進んでいけば、門のようなものが見えた。門には教団のシンボルであるマークも刻まれている。ここから先は村の中央だ。見つからないように行くのは…無理だと思う。
「返答に困る質問はやめてくれないか」
「後で見てみる。それと、民間人を保護した。あぁ、日本人のようだ」
門を押して中へと入る。入った後、レオンに通信が入った。そういえば、ゲームでもあったよね。確か、プレイングマニュアルがどうのこうのって言う内容だったと思う。あくまでゲームの話だから現実である今は何を話しているのかを聞いてはいない。それよりも、この先をどうすればいいか迷う所だ。
湊が色々と考えているうちに、通信は終わったようだ。見つからないように隠れながら移動すればレオンが双眼鏡を取り出し村の様子を伺っている。
「…どう?」
「酷いな…。村人は普通に生活しているようにも見えるが…」
「あ、レオン。こっちに裏道あるよ」
「正面から行くよりは良いか。準備は出来てるか?」
「うん、大丈夫」
レオンの問いかけに頷きながら答える。大丈夫と答えるも、やっぱり怖いしガナードだからって命を奪うのも怖い。無意識にハンドガンを握る手に力を込めていた。