「ねえー、花京院。」
「なんです?」
「勿忘草の花言葉って知ってる?」
「勿忘草? 確か…、真実の友情だったかな?」
「うん、そうそう。他にも誠の愛とかあるんだけどねー」
「私たちにぴったりじゃない? 誠の愛とか。」
「馬鹿言わないで下さい。」
「えー、私、花京院のこと好きだよー。」
「僕たちには、真実の友情ぐらいが似合ってるよ。」

少し、昔に話した話題。
あのあと、なまえは意地悪して言わなかった言葉がある。
今となってはもう、言えない。


「花京院…、勿忘草にはもう一つ、花言葉があってね…私を忘れないでって言うんだって。」

返事はない。
もう、声も聞けない。
愛してた。愛してたのに、


もう、貴方には会えない。



天国に行っても、私のことを忘れないでください。


 勿忘草
   ――私を忘れないで――


(貴方に忘れられることが、一番辛いのです。)


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