ぷにぷにぷにっ。
「あのー…。」
「なんだ。」
「やめてもらえませんかね?」
「なぜだ?」
ぷにぷにと私のほっぺをいじるディオに申し訳なさそうに告げた。
が、それは無駄だったようだ。逆に聞き返されたし。
私はディオの膝の上に無理やり座らせられている。
ディオの膝の上に座っているというだけでも申し訳ないのに…。
そんなに、私のほっぺは気持ち良いのだろうか。
いや、でもディオのほっぺのほうが良いと思うけど…肌白いし。
関係…ないか?
「えい。」
ぷにっ
「むっ。」
「普通だ…。」
気になったので、ディオのほっぺを突っついてみたが、普通だった。
しかし、肌はすべすべだった。羨ましい。
ディオはいきなりのことに少し目を丸くしたがにやりと笑みを浮かべ、顔を近づけてきた。
「ちょっ、顔近い近い!」
うわ、まつ毛長い…とか思ってる場合じゃない。
だんだんと近づいてくるディオの顔に私はだんだんと赤面していく。
恥ずかしくなり、目を瞑ればくくっと笑いを堪えるような声が聞こえた。
恐る恐る目を開けて見ると、ディオは笑いを堪えながら
「キスでもすると思ったのか?」
「なっ…! そ、そんなわけないっ…!」
「冗談だ。」
ちゅっ、と軽いリップ音とともに頬にキスをされた。
時間が止まった、ように思えた。
え…? 今、ディオにキス、された…?
意識すると同時に顔の熱は急上昇した。顔がりんごの様に赤く染まる。
「なまえは弄るのが楽しいな。」
「あ、遊ぶなら他の人にしてくださいっ!!」
(それでも嬉しかったのは、彼には内緒。)
ディモルフォセカ
――ほのかな喜び――
back