■ 夢のチョコバナナ(2)
「ほら、駄目だってば直くん、まだだよ。今から直くんのチョコバナナを食べるんだから。」
そう言って、透さんは俺の根元を指で締め付けて、根元から上へと、まるでソフトクリームを舐めるようにしてチョコを塗りたくった半身に舌を這わせていく。
時々首を傾げて、横から食むようにチョコバナナを食べてる透さんの口元が、チョコで汚れてて。
…エ、エロい…。
上からその光景を見下ろしていると、どうにもムラムラしてしまう。
されるのも気持ちいいけど、俺が透さんを押し倒して、身体中にチョコを塗りたくって、食べてしまいたい!
だけど透さんの口淫が気持ち良すぎて、そんなことも考える余裕はすぐに飛んでしまっていた。
俺のバナナは、もうすっかり透さんに綺麗にチョコを舐め取られ、先端から咥内へ呑み込まれていく。
「ああぁ、透さ…も…イきそ…ッ」
透さんの髪を掴んで訴えるんだけど、透さんは、根元を握った手をなかなか離してくれない。
俺のを咥えたまま上目遣いで、口角を上げて微笑んで、また唇を窄めて上下させる。
「と、透さ…ん…お願い、イかせてっ」
行き場のない熱が、ドクドクと体内で波打って、目の前がスパークする。
「あぁ、っ、…」
その瞬間、漸く根元を解放されて、同時に熱を勢いよく透さんの咥内へ出してしまった。
「あ、ぁ、…っ、」
なかなか止まらないそれを、透さんは喉へ流し込み、残りを搾り取るように吸い上げると、
「ごちそうさま。」と言って、濡れた唇で微笑んでくる。
ーーああ、もう。この人には敵わない。
達ったばかりで力が抜けて、ベッドに仰向けにパタリと寝転んで、本音を溢してみた。
「本当はさ、身体中に塗ってさ、やりたかったのになー。」
「え?そうなの?」
「うん。」
俺がそう応えた途端に、透さんはいきなり俺のTシャツを脱がしてくる。
「え?え?」
俺じゃなくて、透さんの身体に塗りたいんだって、言いたかったんだけど!
あっと言う間に脱がされて、透さんはまた、あのバナナの容器からチョコを搾り出したと思いきや、それを俺の胸へ塗り始めた。
「ちょ、ちょっ、まっ、あ、ぁ…ん、」
チョコだらけの胸の尖りを舌で舐められて、また背中にゾクゾクと快感が駆け上がる。
「ここに付けたら、バナナじゃなくて、チョコ苺みたいだね?」なんて言ってるんだけど、冗談なのか何なのか。
俺の体温で溶けたチョコが、肌から滑り落ちてシーツを汚してる。
「透さん、シーツが…」
「いいよ、今日は天気が良いから、後で洗濯すればいいしね。」
なんて言いながら、身体に付いたチョコを全部舐め取ってから唇を重ねてくる。
すんごい甘いキス。
「さすがに、甘すぎて胸焼けするね。」と言って、透さんは笑ってるんだけど。
もしやと思って、バナナの容器に手を伸ばして、キュッと押してみても、チョコが出てこない。
「透さん、もしかして全部使っちゃったの?」
「そうみたいだね。」
えーー?俺の分は?
って思ったけど、気持ち良かったから、まっ、いっか。
「ね、直くん身体ベタベタだから、一緒にシャワーしようか。」
「うん。」
二人でシャワーを浴びながら、バスルームで今度は、チョコじゃない透さんのバナナを思う存分いただけたし。
今年のバレンタインも、幸せで、大満足だったな。
なんてね。
来年はどんなチョコをプレゼントしようかな。
end
ー夢のチョコバナナー
2015/02/14
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2/2
【clap】
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