Gift | ナノ
2013/12/27 20:07
SS 『シンデレラクリスマス』 さなぎさんに戴きました♪
彼(か)の有名なクリスマスソングが店内に流れる。サビに入ったところで、よく云ったものだと思った。
今し方向かいに座って居た友は、もう人込みの中に消えて居た。
これから彼女と、彼女の2人目の彼氏と3人で逢うのだと話す、
嬉しそうな顔が脳裏に蘇り、直は思わず「ちぇっ」と口を尖らせた。
ごめん、遅くなる。
トラブルでも有ったのか、急いで打った様な、素っ気ないその文面が、約束の時間を過ぎて届いてから、何時間が経っただろう。
クリスマスと云う魔法も、後少しで解けてしまう。
「透さんのばか」
仕事なのだから仕方が無いと解っては居るが、零さずには居られなかった。
何故なら今日は、2人の記念日でもある、特別な日だったからだ。
「うわ、雪降ってるじゃん」
もう帰ってしまおうかと店を出る頃には、午前0時を回って居た。
「直くん!」
それは、ずっと聴きたくて待ち侘びて居た愛しい声――目の前に――逢いたかった恋しい人。
「透さん……」
ちらつく雪の中で、傘も差さずに立つ透の、白に染まる息は乱れ、急いで来た事が見て取れる。
「遅くなってごめんね」
「ほんとだよ。もうクリスマス終わっちゃったよ」
大人になろうと思いながらも、つい拗ねた調子で返してしまう直に、透はもう一度ごめんと小さく謝り、でも、と続けた。
「俺と直くんのクリスマスは、まだ終わってないよ」
メリークリスマス、直くん。
云いながら目を細めた、その柔らかな微笑みに、直の胸は熱くなる。
「メリークリスマス、透さん。好きっ。大好き!」
直は、込み上げて溢れる感情を抑えきれず、透に抱き付いた。
透も受け止めた直の躰を、「俺も」と強く抱き締め、そして、言葉の代わりに唇で、愛を重ねた。
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いつもお世話になっている、モバスペ作家さんの、さなぎさんに頂きました。
ツイッターでお知らせしてくださっていて、
開けてまたびっくり!!
なに、この胸が震えるサプライズSSは!
透さんも直も、すごい特徴掴んでて、さなぎさん流石すぎるっ!
店内に流れるクリスマスソングって、これはもしや、山下○郎のクリスマスイブ?
もーっ!ラブラブな二人!めちゃ嬉しいありがとー!
そんで、さりげなく啓太が3Pデートしていたりで、元気そうな啓太に嬉しくなりましたよ♪
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