拍手置場 | ナノ

 愛故に






好きなのには変わりないのにいつもいつも避けられる。
別に悪い事してないのに、あの子は僕から逃げるから今まで以上に不機嫌な僕。

なんで、逃げるかな?

それに最近僕を見掛けるだけで逃げ出す始末。

あからさま過ぎて泣きそうだよ、僕。




「ねえ土方さん。あの子見てない?」


「はあ?知らねえよ。お前の女だろーが、聞くんじゃねえ。」


「なにそれ、土方さんなんか死ねばいいよ。」


「………は?」


「もういいよ…。」


「…おい、ちょ…総司お前…っ!」



僕を呼び止めようとする土方さんの声なんか無視して、僕は彼女を探す。

土方さんが動揺したのは多分僕はいつも以上に毒舌だったからだと思う。


こうみえて僕、欲求不満なんだよね。

あの子に一週間近くは触れてもないからさ。
…夜這いしそうなんだけどー。




「…夜這いしようかなー…足りない、彼女が足りないよー…うわあー」


「無断で入ってきていきなり何を言い出すかと思えば…」


「だって聞いてよ一くん、最近彼女に避けられてるんだけどさー…僕もう耐えられそうにないんだ。」


「…知らぬ」


「えー!一くんなら少しは話聞いてくれると思ってたのにー!」


「……分かった、話だけ聞いてやるから…子供みたいに駄々をこねるな…!!」


「ホント?!」


「……話したあとは自分で何とかしろ。俺は何もしないからな。」




やっぱり話を聞いてもらうなら一くんだよね!!


「実はね、最近彼女に避けられてて僕耐えられないんだよ。だって最初はね…彼女が可愛くてさ…ぎゅってすると良い匂いしたりするからね、会う度にぎゅーってしたりしてたんだよ。なのに最近はめっきり…」


「……総司、彼女が寝てる間に会いに行くことは…」


「え?してたよ?」


「……」


「だって次の日なんて我慢出来なかったからさ、夜寝てる間にこっそり会いに行ったらね…ぶたれちゃった」


「お前…それは流石にやり過ぎだ。自重しろ。」


「好きならそんなの関係ないよ!」


「………知らん、もう知らん。」








 
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