しずかな海辺に夏のこえ

彼のための命

ひと欠片でも掬ったら負け

不覚にも祈る

恋が大人に変わるとき

ずっとなんてきれいごと

報われたい年頃

薬指と包帯

蜂の巣みたいに繋がりたい

生命線の明日を観る

侘しい眸でわらうのね

蛹の形跡

嘘をついたアロマ

この感情は餞として置いていく

あたたかい毛布

たとえ未来を壊しても

遠ざかる最愛に紡いだ音が彼の指先によって吸い取られていく

うつくしい輪郭

豹と小鹿

棘の先まで愛してる

いつまでも透明なままでいたかった

淡い黒

足を取られてもう幾日

青の灰

構ってのやまい

特別きれいな桜をのせて

ただあなたと手を繋いで生きるだけ

刻まれた重力

ポタージュスープと一匙の

おかえり





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