砕けることを知る

花外蜜腺

幼き蝶の夢あぶく

抱いて朽ちるフリージア

女色のゐろは

濡らす痣

一生などと嘘を吐く

アルカリ性のキス

慈しむように傷を這う

錆びた弦

贖罪の吐露

柔らかな砂の上で心中

あわよくば簒奪

わざと置いてきたわすれもの

くれない沈み意識は遠く

生まれ落ちた葉の色は

淡いプリズム

黙らせるための接吻

腹が減ってはなんとやら

殺し文句の出番です

そして孤独は海に帰す

瞬く生涯の一片

口先だけで染め上げる

酔余の罪隠し

かすかな慈愛は音のなか

最終分岐点で立ちすくむ

浴室の残り香

きみを置いて臨む景色は切り刻まれた花の其れ

やたらと熱い吐息を生んだ低体温

濁った湖ころがる真珠



果たしてどんな感情で繋がることがふたりにとって正しい選択であったのか





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