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【このあと滅茶苦茶説教された】



「みっちゃーん?光忠さーん?光忠ぁー??」

自分を呼ぶ主の声が聞こえ、光忠は顔を上げた。

「はーい?光忠ならここにいるよー・・・ってどうしたの主!その格好!」
「えへへ。ボタン三つも取れちゃったんだぜ」
「それもだけど、まずその膝だよ!擦りむいて血が出てるじゃないか!!いったいどうしたの?」
「・・・・・・ひ、膝に矢を受け「主。僕の目を見て正直に言ってごらん??」アッハイ・・・五虎退の虎が一匹
木から降りれなくなったので『木登りなら私に任せろー!』と意気込んで登ったはいいものの降りる時に油断して
足を滑らせた結果がこれだよ!!!!」
「・・・良いことだけど、危ないから今度は僕達に声をかけてね?」
「・・・うん。素直に岩融先生にでも頼めばよかった。猛省」
「うんうん。偉いね、主」

素直に受け止めた主を光忠が頭を撫でて褒めると、彼女の目にじわりと涙が浮かぶ。
もしや、撫でる力加減を間違えてしまっただろうか。光忠は狼狽えた。

「あ、主っ?ごめんね!痛かった?」
「・・・ううん、違う。頭撫でられたらほっとしちゃって。傷が今になってめっちゃ痛い」
「よし!早く手当てしに行こう!!」





「―――はい、絆創膏貼っておしまい」
「ありがと。あっ、ボタンも付けて貰える・・・??」
「オーケー。任せてよ」
「流石本丸のお母さん」
「そのあだ名、格好よくないからやめてね。じゃあ、一旦着替えてもらって・・・って!主、ここで脱ごうとしない!!」
「あ、下にTシャツ着てるから大丈夫です」
「そういう問題じゃなくてね!主は女の子なんだからもっと気を付けなくちゃ!」
「光忠もみんなもいるのに、本丸で気を付けなきゃいけないことなんてあるの?」
「・・・はぁー・・・君ってそういうとこずるい、よね」

光忠は苦笑しつつ、彼女が脱いだブラウスを受け取る。小柄な主のそれはとても小さい。

「あ、そういえばなんで僕だったの?だいたいは歌仙くんじゃない」
「・・・・・・『木登りしたら落ちて膝小僧擦りむきました☆』なんて歌仙に言ったら絶対怒られる」

「―――おや、よく分かっているじゃないか」

「歌仙くん」
「ヒィ!首差し出せお化け!!」
「・・・今、雅じゃない言葉が聞こえたんだがそんなこと言うのはこの口かな?」
「ふいはへんへひは!(すいませんでした!)」
「よろしい」
「主様ごめんなさいっ!黙ってろって言われたけど、僕、主様のことが心配でつい・・・」
「・・・ううん。いいよ五虎退。心配してくれてありがとね」
「主様ぁ・・・!」
「全く。五虎退から聞いたけど、そんな格好で木登りをするなんてお転婆も過ぎるんじゃないかい」
「スパッツ履いてるから大丈夫だし!」

と、声高に主がスカートの裾を捲るものだから、光忠、そして歌仙もぎょっとして口を開ける。

「はしたない振る舞いはよさないか!!」
「女の子がそんなことしないの!!」

「ごこたん二人が〜!!」
「ぼ、僕も女の人がそういうことするのはよくないと思います・・・」



2015.9.13