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【もう、全員嫁に来たらいいんじゃないかな】



厨へと着いた私は、顔を覗かせて中にいる二人に声をかける。

「みーっちゃん!いーっちごっ!」
「おや。可愛い味見係りさんのご登場だ」
「噂をすれば、ですな」

二人は私を見てにこやかに笑った。うわ。すっごいキラキラしてる・・・イケメンパウダーが舞ってるよ。

「なに?私の噂?」
「うん。そろそろ主が来るんじゃないかなーって、一期くんと話してたとこ」
「はい」
「そういうことだから、はい主。肉じゃがだよ」
「わーい!・・・・・・うん、美味しい!!完璧な味!!」
「もう、大げさなんだから。でも、そう言って貰えると嬉しいよ。ありがとう」
「主、こちらもお願いします」
「わぁ!鯖の味噌煮だ!・・・・・・うおお!美味しい!!ホクホクしてて、味もきちんと染みてるし、美味しいよ一期!!」
「お口に合ったようでなによりです」





「あ、こっちは天ぷら!」
「それは歌仙くんが作ったんだけど・・・」
「つまみ食いした和泉守を追ってったんでしょ?」
「あれ、知ってたの?」
「おう。和泉守が私の部屋に逃げてきてさー・・・ま、自分が悪いんだから謝りなって言っといた。
んで、ちょうど歌仙が来たもんだからあとは任せてきたの」
「和泉守殿もこれで懲りますでしょう」
「歌仙に叱られて反省しない人は馬鹿だと思うよ」
「あ。経験談だね」
「主が仰ると説得力がありますな」
「そ、そんなに叱られてはないですし!」
「あれ。でも、この間スカートで胡座をかいてたから叱ったって歌仙くんが、」
「ぎゃあ!なんで共有してんのさ!」
「・・・主。その格好で胡座をかくのはどうかと・・・」
「ええい!蒸し返さないの!」





「天ぷら食べたいけど、歌仙がいないのに食べちゃうのは気が引けるなぁ・・・」
「ふふ、主は律儀ですな」
「やっぱり作った人に『いただきます』って断り入れないとさ」

「―――僕ならここにいるよ」

「あ!歌仙!それに和泉守も!和睦したんだね!」
「あぁ。有意義な話し合いが出来たよ」
「・・・和泉守くんの様子を見る限り、」
「・・・本当に"有意義"な話し合いだったようですな、」
「ねぇねぇ、歌仙。食べていい?」
「あぁ、勿論だとも」
「わーい!じゃあ、この人参の天ぷらをいただきまーす!・・・・・・美味しい!めちゃくちゃ美味しい!」
「恐悦至極」
「ほら和泉守も!ほら!」
「・・・の、之定、食べてもいいか?」
「ふふ、最初からそう言えばいいんだよ。さぁ、どうぞ」

「やったね兼さん!よく出来ました!はい、あーん」
「なっ!?」

「あーん」
「あー!!みっちゃんが食べたー!!」
「いや、和泉守くんにはまだ早いと思ってね」
「ですな」
「あぁ、まだまだ青い若造には早いね」
「あんたらなぁ・・・!!」
「あ!ねぇ、お腹空いたー夕餉の時間はまだー?」



2016.1.11