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【明日の刀装職人は君だ!】



「一期いるー?」

と、私は粟田口ルームを覗いて見たが、そこに探し人(刀)の一期の姿はなく、
ごこたんと乱ちゃんが仲良くあやとりをしている最中だった。可愛すぎ。紐になりたい。

「いち兄なら、厚が薬研と手合わせするから見てくれって鍛練場に行ってるよ」
「あーそっか。んじゃ、邪魔しちゃ悪いな・・・」
「いち兄になにか用事だったんですか?」
「うん。刀装を何個か作って貰おうかなって思ったんだけど」
「あぁ、なるほどねー」
「刀装作るの上手ですもんね、いち兄」

五虎退の言う通り、一期は刀装作りが上手い。希望の物を作ってくれるのはもちろん、特上の確率も高いのだ。
流石はお兄ちゃんである。ちなみに一期の他にも刀装名人は他にもいる。
まずは我が近侍の歌仙、堀川くん、江雪、それから加州に山姥切。そして今ここにいる乱ちゃんだ。

鯰尾も上手なんだけど・・・あの子は毎度出来た金の刀装を私に向けて、「ほら主!出来ましたよ!ほら!」と、
どうにも私に金玉と言わせたいらしく、軽いセクハラなのでもう作らせてない。
一期にもこってりとお覚悟されたようである。なんであの子、小学生みたいな思考回路なんだろうねほんと。

・・・まぁ、かく言う私も歌仙が作った金の刀装を見て思わず、「お!ナイス金玉!」と言ってしまい、
長々とお説教を食らったことがあります。はい。

そして、これだけの刀装職人もいれば、逆のワースト刀装職人もいる。
そしてその不名誉を物にしているのが鶴丸だ。別名、消し炭製造機。奴は特上どころか、並さえもまともに生成出来ない。
なのに本人はやる気満々で、勝手にALL250で10連して半分も消し炭作った挙句に「ははっ、すまんすまん」
とか笑うもんだから、今後一切刀装部屋に入ることを禁じた。

「歌仙さんと堀川くんはご飯の準備中だっけ?」
「うん。そうなんだよねぇ」
「江雪さん達は遠征ですもんね・・・」
「あ。なんだったら、ボクが作ろっか?」
「ううん。別に急でもないから大丈夫。乱ちゃんにはこないだ頑張ってもらったし」
「えへへーでしょでしょー?」

もっと褒めて褒めてと言わんばかりに、乱ちゃんが私の腕にぴとっとくっ付く。
可愛い。こんなに可愛い子が女の子なハズがない。私はでれっとしながら乱ちゃんの頭を撫でる。

すると、ごこたんがちらちらと私を見ているのに気が付いた。
彼も撫でて欲しいのだなと気付いた私は、ぽふんと柔らかい髪の毛に手を置いて撫でた。

「えへへ・・・ありがとうございます、主様」
「ううん、こちらこそありがとうございます・・・」
「あはは!あるじさんったら、ほんと面白ーい!」

「―――おや。賑やかだと思えば主もご一緒でしたか」

「いち兄!」
「おかえり、いち兄!」
「よっ!いち兄!待ってました!!」
「ははは。これはこれは、新しく妹も増えましたかな?」

このあと、桜舞わせた一期がめちゃくちゃ金刀装作ってくれた。



2016.1.3