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コニーが思う『頭のいいやつ』は、二つに分けることが出来る。

一つ目は『俺より頭のいいやつ』。
これはだいたいコニー意外の人間には当てはまる。今のところ、この104期の中ではサシャ意外該当する。

二つ目は『本当に頭のいいやつ』。
一つ目と何が違うのかというと、物事の理屈がいまいち分からないコニーにでも、それを分かるように
説明してくれる者だ。これに当てはまるのは、座学主席のアルミン、それからマルコ、佳奈子の三人だ。

アルミンもなのだが、特に佳奈子は勉学意外の雑学の幅が広い。聞けば大抵のことは答えてくれるので、恐らく彼女に
知らないことはないんじゃないかとコニーは勝手に思っている。

前にも、「何で体温計って42度までしかないんだ?」と、ふと体温計を見て不思議に思ったコニーが聞けば、
「人間は42度を越える熱が出ると死んじゃうんだって」と、よく考えれば分かることを答えてくれて、更にコニーが
「何で死ぬんだ?」と掘り下げると、「42度っていう体温は、人体を構成しているタンパク質が固まっちゃう温度でね、
一度固まっちゃうと元に戻ることはないの。ちなみにタンパク質っていうのは、運動とか抗体とか・・・とにかく生きるのに
必要なものね」と疑問を解決してくれた。残念なのは、これをコニーが幾日かすれば忘れてしまうことだ。

「カナコってほんと頭いいよな」
「なに?藪から棒に」

佳奈子はきゅっと唇を上げて少し笑う。

日々の座学にもついていけないので、一週間に何回はこうして佳奈子におさらいしてもらっている。
だいたいサシャも一緒なのだが、今日は少し離れた場所でアルミンに教わっている。
サシャは逐一やかましいから、コニーとしてはこの方が静かに集中出来るから大助かりだ(コニーも充分やかましいのだが自覚がない)。

「いや、だってよぉ、俺やサシャにも分かるように教えてくれるし、何でも大抵のことは分かるだろ?」

「お前、スゴイよ」とコニーは素直に称賛する。
ジャンも頭がいい方だが、コニーに分かるように教えることはほぼ不可能だ。というか、まずあの悪人面を歪めて教えることを拒む。
それに対して佳奈子は、笑顔で承知し、なおかつ理解させてくれるのだから神様である。

その神様はしばし時間を空けてから、人間のコニーにこう言明する。

「・・・コニー、褒めたって課題の丸暗記なんかさせないからね」
「ちっ、バレたか」

思わずコニーは舌打ちする。彼女が『本当に頭のいいやつ』に分類されている所以はこういう鋭さもあってからだ。
けれど、やっぱり佳奈子は最後には神様なのだ。優しく笑って、優しい言葉をもたらす。

「手伝うから頑張ろう」



2014.3.19