私は、何を求めた──?




『9月1日ヨークシンで』




掌に残る人を殴り付ける感触。
耳障りな衝撃音。
強固な意志を宿す瞳。
変わらない意志。
迷った私の心。
苦しいと叫ぶ私の心。
それでも、それでも溢れ出す怒り。
蘇る幸福な時間。
無惨な亡骸を残した同胞の地。
叫んだ心。
願った罪の意識と謝罪の言葉──……



「………赦せる筈がない」


押し殺した怒りはあの頃から何一つとして風化せず、クラピカの心を捉えて離してくれてはいなかった。
血で錆び付いた鎖は心の臓を締め付ける。
震える掌は人を殺めた罪悪感からか、それとも怒りからか、クラピカにはわからなかった。
クルタの歴史は血塗られていた。
何時も、何時も、侵略と略奪を繰り返され、それでも懸命に繋いだ血族であった。



「────母さん、俺のしている事は………」




それは、クラピカが決して口にしてはならない言葉であった。
少年が同胞の為に決意した至極当然な悪党退治は、彼の生きる意味であった。
燃える業火はまるで、命の灯火だった。
彼の灯は、今日この日、殊更激しく燃え始めた。
まるで行き急ぐ様に、激しく。
それでも尚、その火種は治まる気配も無く───否、治める理由を彼は見つけられなかった。



「───…私は、どんな顔をして………」




あの日、交わした約束は、純粋な約束を願っていた。
また四人、笑顔で再開出来る事を。
それぞれが互いに、目的の為に歩み、励ましたあえる事を願っていた。




「何故、私はこんなにも───…」



愚かなのだろう。




「───それでも、それが……」





俺が決めた未来。




This future is Goodend or Badend ?












2012*09*07



暗くてすみません。




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