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ずっと待ち望んでいたものを与えられ、甘美な悦楽に頭の中が蕩けるような気がした。

「んあ、んんっ…ぁ、さえ、き…っ!」
「っ……熱い、な…貴方の中は…」

くらりと目眩のするような甘い吐息に耳殻を嬲られ、背骨にぞくぞくとした電流が走って止まない。
打ち寄せる快楽の波に堪えることもできず悲鳴じみた嬌声を上げながら欲望を吐き出せば、眉を寄せた男の熱い肉塊が短いストロークを数度繰り返した後に繋がったまま中で爆ぜた。

触れる肌から染み込む熱に鎮まらない身体がまだ足りない、もっと、もっと、と貪欲にねだる。

「なんて顔をしてるんですか、貴方は…っ」

普段のレンズ越しではない彼の青みを帯びた宝石のような瞳が揺らぎ細められ、確かな欲情を示す濡れた唇が左頬を掠めてから喉骨を緩く食んだ。
じわじわと燃え疼き出す小さな火種が零れた涙で消えてしまわないように、今度はもっと焦らしてほしい。

「んっ、克哉…私に全部、寄越せ……」

滲んだ視界に映る白い胸板に吸い付き鮮やかな赤い痕を無数に散りばめてやりながら男の腰に足を絡ませ引き寄せる。確かに感じるナマの重みに細く息を吐けば、上に乗る男が一瞬だけふわりと笑った。
その笑みはどこまでも柔らかく、ドロドロに溶け崩れた本能すらも灰色に霞んでいくほどのそれで。

ああ、どうしたものか。堰を切ったように溢れ出るモノが止まらない。止められない。

私はお前の全てが欲しい。





END.
20100108
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本能のまま求める御堂さんの色気は凄まじいと思う。




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