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永遠と探求(R-18)




「暇じゃー…」
「…しつこいぞ」
うだるような天候に辟易し、少しの外出すらも躊躇うような午後。
先程から幾度も同じ台詞でしつこく暇を訴えてくる仁王に、俺も何度めかの同じ言葉を吐いた。
「本でも読んだらどうだ。そこの棚にある」
読んでいる本から顔を上げ、棚を指さすと、仁王はあからさまに嫌そうなな顔をした。
「それは却下じゃ」
「そうか」
「そうかって…完全に他人事じゃな」
「…そうか」
「……なあ、参謀」
相槌を打ちながら本に視線を戻すと、再び頭上から仁王の声がする。
「んー…」
注意が本行き、返事が疎かになって余計に間延びした。
「暇なんじゃけど」
「…お前はそればっかりだな」
「参謀も本ばっかじゃな。…で、ええこと思いついたんじゃけど」
嬉々とした声に些かならず不安を感じ、本を閉じる。
「…何が良いことなんだ?」
「んー、さあな」
「仁王…」
「参謀、本」
そう言うと同時に、仁王が手を出してきた。
「え、あ、ああ…」
戸惑いながら、読んでいた本を手渡すと、彼は机の上に本を軽く放った。
「…仁王?」
机上に無事着地した本を視界に捉えつつ、仁王を見る。
「蓮二」
「っに、…」
仁王、と言い終える前に唇を塞がれた。肩を手で掴まれ、逃げることができない。
そう考えている間にも仁王の舌が唇の隙間から侵入してくる。
「っ、んんっ…」
息苦しさに首を横に振ると、呆気なく唇は離れたが、肩を押さえる手は動かなかった。
そういう点、彼は抜け目がない。
「仁王っ…」
「逃がさんよ。俺のことほったらかしにしとった罰じゃ」
「…そうか…」
整ってきた呼吸の間を縫ってそう言うと、俺の肩に置かれた手に力が入った。
近付いてくる仁王の吐く息が耳をくすぐる。
座っていたはずのベッドに、気が付けば仰向けに倒されていた。


「っう、ぁぁっ…」
「感じとる?やっぱ」
「い、言うなっ…」
ズボンを膝まで脱がされてシャツを胸まで捲られた中途半端な状態のままで、仁王の舌先が乳首をなぞるように刺激する感覚に、嫌でも体が反応してしまう。その度に彼が嬉しそうな顔をするのが少し悔しい。
「好きじゃ、蓮二のその顔」
「や、止めっ…ゃ、ひあっ…!」
さっきまでは舐めるように愛撫されるだけだったのに急に歯を立てられ、声が漏れた。
小さく、仁王に睨みつけるような視線を向けた。が、効果などまるで無かった。
それどころか、仁王の行為を助長してしまったように思える。
仁王の片手が俺の下半身に伸び、性器の先端に触れた。
「いっ、ぁあっ…」
慣れた手つきで扱かれて俺の陰茎は硬直していく。やはり勝てないのだと、思い知らされた瞬間だった。
段々と、仁王の手の動きが速くなった。
「んんっ…!!はあっ、ぅあっ…」
「蓮二」
「あんっ、にっ…仁王…仁王っ」
仁王に髪をなでられ、再び口づけられる。
「んぅっ、んん…」
堪らなくなって、さっきとは逆に仁王の唇の間に舌を這わせた。
すると、手の動きは止めないまま、仁王が更に唇を密着させた。
息苦しくなるのも構わず、ずっとこの時が続けばいいと思った。
壁に掛けられた時計は、変わらずに時を刻んでいく。



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