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ぐるぐる(赤柳)




「…やっぱり、痛いんだろう…?」
性欲に負けて柳さんを押し倒した。
が、彼は「痛そう」の一点張りで、なかなか首を縦に振らない。
押し問答が続いている。
理屈なんかで説得しようものなら、逆にこっちが言いくるめられてしまいそうだ。
「柳さん」
「何だ…?」
「そんなに嫌?俺とするの」
「そういう訳じゃ…」
「優しくするから」
「…分かった…」
彼の服に、手をかけた。


「っ、や、…」
「痛いっスか?」
「ん、平気、っ…」
柳さんが我慢して平気だと言っている事はなんとなく分かる。
彼は後孔に指を一本少し挿し入れただけでも過剰と思えるような反応を示した。
仕方が無いと思えばそうなのだけれど、やめてくれと思えばその通りになる。
それでも拒絶の言葉を吐かない柳さんに、なぜか彼を強引にこうさせている気分になってきた。
「柳さん…」
「んっ、赤、也…」
俺の服のすそを掴む彼の手に力が入る。
後でそこだけ皺になってたら笑えるよな、なんて何故か思った。
「指、増やしても大丈夫?」
「…大丈夫…はあっ…」
「狭いっスね…?」
「そんなっ…しかた、ない、っ…ぃっ…」
急に増えた刺激に伴う痛みで、柳さんが顔をゆがめる。
「痛い…?」
「…すこ、し…」
痛そうな表情のくせに我慢して「少し」なんて言う柳さんに、罪悪感はこみ上げる一方だった。
でも謝ったところで彼はまた「大丈夫」とか言うんだろう。
そんな悪循環を続けても意味はなさそうだから、開きかけた口を閉じた。
代わりに、柳さんの頭を少しなでた。

end



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