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壁 (赤柳)




「柳さん」
さして話すことも無く流れていく午後の沈黙を、赤也が破った。
「どうかしたのか?」
「柳さん、もうすぐ卒業しちゃうじゃないッスか」
「高校なんてすぐ近くだ。会おうと思えば会える」
とは言ってみたものの、たかが一歳の差すら、赤也にとっては大きいらしい。
納得がいかない顔のままだ。
「柳さん」
「赤、也…?」
隣に座っていた赤也が俺の肩を掴んで押し倒した。
「…やっぱ、関係無いっすね」
「え?」
「今までみたいにいつもは会えないッスけど、柳さんは俺のッスよ」
赤也が見たことないくらい真剣な顔で言う。
「俺が他の奴に靡くとでも?」
「思わないッスけど」
「俺には赤也しかいないんだ。だから、何処にも行ったりしない」
「約束っすよ」
小さく、でも彼に分かるように頷いた。
赤也の手が、俺の服のボタンを外し始める。
「っ、赤也…」
「この体勢で何もしないと思います?」
「でもっ…」
「ちょっと黙って」
「んぅっ…」
唇が重なり、侵入してきた赤也の舌が咥内を這い回った。
服を肌蹴させられ、赤也の手が肌に触れる。
それに反応して少し跳ねた体に、赤也が少し意地の悪い笑みを浮かべた。
こうなった時は手の付け様が無いから、されるがままになった。
時刻は昼時、日はまだ高い。



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