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一番星と喜色(R-18)




弦一郎は時々、歯止めが効かなくなる。
「弦一郎…っ、いくら何でもここは…!!」
「皆帰った。誰も来ない」
「いや、でも万一誰かいたら…」
「構わん」
「んっ、やっ、何処さわ、って…!!」
「いいから黙れ」
弦一郎が壁に手をつき、俺の逃げ場を無くした。
「弦一郎…?」
「何だ?」
「…責任は取って貰うぞ」
もう、どうにでもなれ。
そう思った。


分かっている、と答えるや否や、弦一郎は俺のジャージのチャックを下げた。
「んぁっ…」
「下に何も着ていないのか」
「…忘れただけだ…っ」
弦一郎の言う通り、俺はジャージの下に何も着ていない。
咄嗟の言い訳をすると、彼は短く「そうか」と答え、チャックを上げた。
そして、至極当然であるかのように、ズボンと下着を下ろされる。
「…ん、弦、一郎…」
「蓮二は良い匂いがするな」
「やっ、くす、ぐったっ…ひゃぁっ!?」
弦一郎が俺の首筋に顔を寄せる。
体温は、上昇の一途を辿っていった。
耳が熱い。
「っ、ん…げん、い、ちろう…」
「蓮、二…」
熱っぽく呟いた弦一郎の唇が耳に触れる。
「お前が耳が弱いことくらい、分かっている」
「やっ、やめっ…」
「これは何だ?」
弦一郎が俺の下半身を指差した。
目をやると、興奮した俺の陰茎が俄かに勃起し始めている。
「やだっ…弦一郎っ…」
「はしたないな」
低く言った弦一郎が俺のジャージの中に手を入れた
「ぁあっ…!」
「どうした?」
「んぁっ、はあっ…ひゃぅっ…」
弦一郎に乳首を抓まれ、声が漏れる。
「敏感だな」
弦一郎のせいだ。
そう言おうとした口は、弦一郎の口でふさがれた。
「ンンッ…んぅっ、ふぁっ…」
舌が口内を這い回る音が聞こえ、、彼の首に手を回して抱きつく。
そうする間にもジャージの中で刺激される乳首は赤く腫れ、膨らんでいた。
陰茎も反り返り、先走りを垂らしている。
「んっ…!はあっ、ぁあっ!!」
「あまり声を出すと聞かれるぞ」
「やあっ、むりぃっ…ぁあんっ…!」
意地悪く言われ、頭を横に振った。
唇を噛んでも、隙間から零れる声は大きくなる一方だ。
「ふぁっ、んんっ…やだっ、も、こ、んなっ…!」
「何が嫌なんだ?」
「んはぁっ…っ、も、っと、いっぱい…さわ、って…」
性欲が抑えられずに触って欲しくて涎を垂らす陰茎を弦一郎に擦り付けるようにして見せた。
「蓮二…」
弦一郎の手が俺の陰茎に触れる。
指で先走りが絡みつく亀頭を刺激された。
でもその指はすぐに離れ、後孔を這う。
「やあっ…んっ…」
もうとっくに拡張された後孔は、物欲しげにヒクついていた。
すると、先走りが纏わりついた指がそこに挿入され、体がはねる。
「ぁあんっ、ひぅっ…んぁあっ…!!」
ナカを掻き回す指が徐々に増えていき、前立腺を強く刺激される度に陰茎がだらしなく体液を溢れさせた。
「蓮二、気持ち良いか?」
「ひゃぁっ…はぅうっ…んっ、そこぉっ、そこ、きも、ちいいのっ…!あああんっ!!」
「外に聞こえるぞ」
「そ、んなっ…んっ、らめぇっ…きこ、えちゃっ…!」
弦一郎にしがみついて快感に耐える。
部室の作りなど所詮簡素で、壁が薄い。
防音など以ての外だ。
少しでも大声を出せば筒抜けになる事くらい分かっていても、抑えるのは無理だった。
「ああっ、も、やぁっ…イっちゃうっ…!!げん、い、ちろぉっ…!!ぁあっ、ひゃぁああんっ!!」
理由なしに多少の罪悪感を覚え、その場に射精した。
足元に白く濁った液体が滴り落ち、溜まっていく。
肩で息をし、震えの止まらない脚を折ってその場に崩れた。
弦一郎の縋り付いても立っていられない。
「蓮二」
「んぁっ…」
「まだ、足りないのか?」
「んっ、ま、だっ…」
一回イっただけでは、もう、満足できなかった。
そしてそれが日常的に、体に組み込まれているのだから救いようがない。
冷たい床に手をついて四つん這いになり、弦一郎に哀願した。
「んんっ、げん、いちろ、のぉつ、い、れてぇっ…」
すると、腰を掴まれて引き寄せられる。
「んっ、ふぁっ…」
「蓮二、挿れるぞ…」
「っん、はやくっ…き、て…」
弦一郎も、焦らす様な気分ではないらしい。
狭い後孔の内壁を抉るように彼の陰茎が挿入された。
「ぁああっ!!んっ、ふぇぁっ…ひゃぁっ、げん、ぃ、ちろぉっ…!!」
「っ、狭いな…」
「はあっ、んぅっ…はい、った…?」
「動くぞ」
「んっ、へ、いきっ…」
弦一郎が律動を始める。
奥まで深く挿入してはギリギリまで引くその行為に、腰が揺れた
「ぁああんっ、ひぁあっ、げ、ん、ぃちろぉっ…!!」
「締めすぎ、だっ…」
「ひゃあああんっ!!んっ、それぇっ、ぁあっ、も、っと、ぉくっ、きてぇっ…!!」
「蓮二は、これが好きなのか…?」
「んっ、すきぃっ…ぁああんっ!!はあっ、も、おか、し、くなるっ…!!」
奥を激しく突き上げられ、後孔は弦一郎の陰茎をキュウキュウと締め付ける。
声が外に聞こえようが、別に構わない。
「らめぇっ、そ、んなっ、こわれるぅっ、ぁああんっ、イくっ、も、でちゃぅっ…!!」
「イっていいぞ…!」
「ふぇっ、げんいちろっ、ぁあっ、ぁあああんっ!!」
虚脱感に見舞われ、射精した瞬間に全身から力が抜けた。
頭が真っ白になる。
それから弦一郎もナカに精液を射出したのを感じ、意識を落とした。


「ん…」
「やっと起きたか」
目が覚めて最初に視界に入ったのは弦一郎だった。
体を起こすと、ここがまだ部室であることが分かる。
でも先程の行為を彷彿とさせる様な形跡は何もなく、弦一郎が後始末をしてくれたらしい。
「弦一郎…」
「蓮二、帰るぞ」
弦一郎が立ち上がった。
「制服、着せてくれたのか?」
「あのままという訳にもいかないだろう」
「弦一郎」
「ん?」
「ありがとう」
「あ、ああ」
何処か不自然な返答に頬を緩める。
彼は、どんな顔をして俺に服を着せたんだろうか。
不器用に結ばれたネクタイと最後までボタンが留められていないシャツに、どうしようもない嬉しさを覚えた。
そして一番星を見つけた、冬のある夜。


end



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