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糸口(R-18)




俺が欲情した、柳さんの仕草。


それは、本のページをめくる瞬間。


俺に勉強を教えに、柳さんは家に来たはずだった。
でも、もうそれどころじゃない。


「解き終わったら教えてくれ」
そう言って本を読み始めた柳さん。


でも、集中できない。


柳さんの白くて細い指が自由自在にページを操る。


別に溜まってた訳じゃないけど、その指の動きがいやらしく見えた。


それに釘付けになっていた俺に気づいたのか、柳さんが本を閉じた。


「赤也・・・さっきから随分と俺の手ばかり気にしているようだが」
「柳さん・・・・・・ヤ」
「・・・何かと思えば・・・」
「ダメ。ヤりたいっす」


明らかに困ってる柳さんの手首を掴んで引き寄せ、ベッドに押し倒す。
柳さんのシャツのボタンを全部外して胸をはだけさせてから、露になった白い首筋に吸い付いた。


「ぁっ、赤也っ・・・」


「柳さんゴメン、無理」


柳さんの耳元に口を寄せて囁くと、柳さんの躰がビクンとなった。


顔を背ける柳さんの顎をくいっと持ち上げて、唇にキスをした。
逃げる彼の舌を自分のと絡ませて、深いキスをする。


「っん・・・・っ・・ぅ、ん・・・」
時々唇の端から漏れる声も塞ぐように、わざと音を立てながら舌を絡ませて吸い付く。
それからキスに気を取られてる隙に、柳さんの乳首に触れた。


「んっ!!」


充血して膨らんだ乳首を爪で軽く引っ掻くと、柳さんは滑稽なくらいに躰を揺らして反応した。
唇を離すと目が合い、肩で息をする柳さんに軽く睨まれた。


「柳さん、可愛い」
そう言って敏感な反応を示す柳さんの乳首を抓ったりしてみる。
「っあぅっ・・・ば、かっ、んっ、く、あぁっ・・・!」
「気持ちいい癖に」
予想通りの反応。
「い、やだっ、やめ、ろっ・・・!」
「やめない」
抵抗を始める柳さんのズボンを無理矢理下ろすと、興奮して勃ち上がった性器が下着を押し上げていた。


「結局感じてるんじゃないっスか」
「や、あ、やぁっ・・・」
呂律が回らない柳さん。
頬が真っ赤だった。


下着も脱がして外気に晒された柳さんの性器を焦らすように手で扱く。
「柳さん、気持ちいっスか?」
「ん、や、あっ・・・んあぁっ」
「ねえ、聞こえない」
「や、も、あ、やぁっ・・・!」
「何?」
「も、たりない、い、れ・・・」
「・・・慣らさなくていいんスか?」
「い、から、いれ、てぇっ!!」
「分かった」



「あ、かやっ・・・」
「分かってますって」
四つん這いにさせた柳さんに急かされて、下だけを手早く脱いだ。
それからピクピクと収縮を繰り返す柳さんの蕾に自分のをあてがい、一気に挿入させていく。
「あ、ぁあんっ!ん、はぁっ、ああっ」
「っ、狭っ・・・」
「あか、やっ、あかやぁっ・・・!」


狭くて絡み付いてくる柳さんの孔に突き刺した陰茎をその奥まで押し進めようとして、柳さんの腰を掴んでぐいっと引き寄せた。


「ぁあんっ!?い、あ、ぁっ・・・奥っ、き、てっ・・・」
「ん・・・入りましたよ?」
「ん、あぁあ、ふぅ、ん・・・」
無意識なんだろうか、柳さんの腰が揺れている。
柳さんってこんな人だったんだ、と今更覚える彼の本性。


「動いていいっスよね」


「ああっ!!あっ、あっ、ぁあっ!」


壊れそうなほどギシギシと軋むベッドのスプリング。
俺が律動を激しくする度、柳さんの中がぎゅうっと陰茎を締め付けた。
そこを無理矢理突き上げれば、柳さんはぎゅっとシーツを掴んで嬌声を上げる。
前立腺を小刻みに何回も突くうちに、柳さんは辛うじて体を支えていた手足をがくがくと震わせ、うつぶせに倒れこんだ。
そうやって尻だけを俺の方へ突き出して喘ぐ柳さんも可愛い。
結合部からは精液が柳さんの太ももを伝い、白いシーツに滴っていく。


「やぁぁああっ!!あ、やぁっ!!イ、くっ!!」
「っ・・・いいっスよ」


柳さんはもうそろそろ限界らしい。
俺は腰を激しく打ち付けて、柳さんの前立腺を何度も大きく突き上げた。


「ぁああっ!!!イくっ!!!もう、ら、らめぇっ!!」
「っ・・・柳さん・・・っ!」
「ぁかやぁあっ!!イっちゃ、あっ、あああああんっ!!!」


柳さんが射精して、俺もその中に同じものを放った。
それから柳さんはガクンと腰を落とし、ベッドに倒れこんだ。


「柳さん」
「赤、也・・・」
ちらりとこちらを見上げた柳さんの顔は、生理的に流れたであろう涙で濡れていた。肩で息をしていて、口の端から唾液が垂れている。
「あー、怒ってます?」
「・・・・・・別に怒ってもどうにもならないだろう、赤也の場合」
合理的な、柳さんらしい答えが返ってきた。
「そうっスね」
俺がそう言って笑うと、
「お前が言えることじゃない」
と睨まれた。
でもそれすらも可愛くて、
「大好きっス」
と言えば、
「俺も、好き、だ」
と返ってきた。


それでもそっぽを向く柳さんが愛しくて、俺は素直じゃない彼の頬にキスを落とした。

end



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