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コントロール (幸柳)




「蓮二」
呼ばれて振り返る。
すると、精市がいた。
「精市」
「可愛いなー」
いきなり後ろから抱きつかれる。
「せ、精、市・・・」
「何?」
「な、何をして・・・」
「蓮二が可愛いから」
「こんなところでっ・・・」
場所は、部室。
誰か来たらどうするんだろう、この男は。
「とにかく、離れっ・・・」
「嫌だ」
更にギュッと抱きしめられて嬉しくない訳ではないのだけれど、やはり、場所が悪い。
それに、精市の髪が首筋に当たってくすぐったい。
「せっ・・・精市!ど、何処を触って・・・!」
精市の手が俺の下腹部に伸びる。
「大丈夫、鍵かけたから」
「でもっ・・・」
「蓮二」
「せ、精、市…」
「ほら、もう感じてる」
「や、やめっ・・・」
「そう。じゃあ止めようか」
そう言って離れた精市。
「え・・・」
「だって、止めて欲しいんじゃなかったの?」
「そ、んな・・・」
分かっている癖に、と出かけた言葉を飲み込んだ。
嫌だと言いつつも期待してしまっていた。
さっき精市が触れた処が熱を持ってしまっている。
「あーあ、そんなにしちゃって。嫌なんじゃなかったの?」
満足そうな笑みを浮かべる精市。
今更ながら実感する。
笑顔の精市が、一番怖い。


「う、あっ、精・・・市っ」
床に座り込んでしまい、そのまま精市を見上げる。
「何、蓮二?」
「ここ、でっ、いいからぁっ・・・も、っと、触って・・・」
「仕方ないなあ・・・」
精市が屈み、俺と目線を合わせる。
「いいよ」
そして、押し倒された。
「せ、いちっ・・・」
「可愛いなあ、本当」


服を乱されて首筋に吸い付かれ、俺はギュッと目を閉じた。



end
「可愛い」に続いてます



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