第十話(1/7)


「「「結婚!?」」


僕は突然襖の向こうからそう聞こえたのを聞いた。
…誰かがお見合いでもして結婚することになったのかな?

少し興味本位でそっと覗いてみた。


「近藤さん、俺ァ本気ですぜ」

「いやぁ、総悟が珍しく話があるっていうから何かと思ったら水樹ちゃんと結婚するなんて言い出すからビックリしちゃったよー」

「俺もだ。
アイツからはお前の愚痴ばっかり聞かされるから、上手くいってねぇと思ってたが…
そうか、お前もやることはちゃんとやってたみたいだな」

「まぁあっちのことに関してはまだですが…
それはアイツの気持ちを無視するわけにゃ行きやせんから、
様子をみて追々と。」

「そうか、お前も随分と成長したんだな。」

「そうだなぁ…総悟、お父さんは今すっごく嬉しいぞっ」

「近藤さん、いつから俺の親父になったんでィ」



なんか、僕は見てはいけないものを見てしまったような気分になった。
てか、結婚なんて聞いてないんだけど…
お兄ちゃんは知ってるのかな?
お兄ちゃんのことだからあっさり承諾するとは思え…

「ん、水樹…
こんなとこでつっ立ってどうした?」

「あ…お兄ちゃん。」


僕はさっき聞いたことをお兄ちゃんに話すことにした。
でも、ここで話すわけには行かなかったので仕方なく僕の部屋へと連れて行った。

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