第八話(1/12)
僕は市中見回りに行くために、屯所から出た。
そしたら、恐れていたことが起きてしまった。
昨日の晩のことなのに、次の日の昼過ぎに会うなんて…
心の準備がまだ出来てないのに…
「元気にしてた?」
彼は僕の心境を知ってか知らずか、久しぶりにあった友達のように話し掛けてきた。
「何しにきたんですか?」
僕は必死に絞り出した声で聞いた。
「何しにって…
君と怜也を連れて帰るために来た。
全く、怜也も間抜けだよねー
他の奴らに聞かれるなんてさ」
「………」
「ま、とりあえずそういうことだから。
あ、君に拒否権はないからね。」
僕は彼の威圧感に圧され、全く動けなかった。
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