第二話(2/9)
僕は、過去とけじめを付けることにした。
だから、朝早くに聖也のお墓参りにやってきた。
「聖也、僕はこれからは前を向いて生きることにした。
だから、もう…たまにしかお墓参り来れないかもしれない…
でも、聖也のことは一生忘れないからね。」
僕は、自分に言い聞かせるように聖也のお墓に向かって言った。
「さて、もうすぐお昼になっちゃうし…
どうしようかな?」
お昼御飯のことを考えながら、
歩いていると黒い服を着た茶髪の青年を見かけた。
「姉上…」
そう呟いた言葉が、なぜか頭の中で数回リピートした。
僕はとりあえず何事もなかったかのように、
青年のそばを通り過ぎようとした。
「…アンタ、立ち聞きしたでしょ?」
僕は背後から聞こえた言葉に、
思わず歩く足を止めてしまった。
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