気まぐれ。(1/4)
「フェレス卿ー」
ゆったりとティータイムを楽しんでいるメフィストの部屋に零が走り込んできた。
「騒がしいですねぇ…
そんなに朝一番で私に会いたかったのですか?」
「む、違いますっ
昨日朝一番で修業に付き合ってくれるって言うから…」
「あぁ、そういう話もしましたね。」
思い出したように、手を叩く。
それをみた零はため息を吐いた。
「もしかして忘れてたんですか?」
「別に忘れていた訳ではありませんよ。
ただ、この学校の教育者として一人の訓練生を贔屓しても良いのか最後まで悩んでいただけです。」
「…言い出したのはフェレス卿なのに」
「そんな頬を膨らませなくても、付き合いますよ。
零ですから」
「どうせ面白そうとか、面白いっていう気まぐれじゃないんですか?」
「さぁ、どうでしょうねぇ?」
「やっぱ気まぐれか…」
「気まぐれではいけませんか?」
「…喜んだ私がバカみたいじゃないですかっ」
「おやおや、嬉しかったなら何故素直に言わないのです?
素直じゃないと人生損ばかりすることになりますよ?」
「……フェレス卿、修業なんかより私と付き合えっ///」
「なんと」
零の突然の告白にも大して動じなかったが、表情は緩やかだった。
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