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晴のことで昨晩は少し悩んでしまったけれど、寝て朝を迎えたらなんかもう別にいっか!的なかんじで落ち着いた。睡眠って大事。
晴とは知り合って半年たらず…喧嘩して仲が疎遠になってしまったことくらい俺にとったら大した問題ではないのだ。
キャンパス内でたまに見掛けると、晴は面白いくらい頬を膨らましてぷいっとそっぽを向く。
露骨だな‥つか意識しすぎだろ。なあんて呑気に考えて、俺はその後の予定を思い浮かべるのだった。そんなこんなで、あれから3日はたった。

あいつが、俺はドケチの貧乏人だと周りに言いふらさないかという心配はあった。事実だし隠してるわけじゃないけどそんなこと無駄に広めたくはないし。
でも今のところはそう言ったことはないようだ。

「…ふう」

今日は仲良いやつらが皆用事やら今日はいないやらで、俺は1人で昼食をとることにした。珍しいことではないし、逆に皆で食える日ってのも多くはない‥(彼女がいるやつとか、いるし)
庭のベンチに座って弁当を広げる。名付けて節約弁当。豪華ではないけど、ゴミのように粗末なわけでもないごく一般的?な弁当である。
‥いただきます。

「あっ」
「あ」

ガリガリ…梅干しを噛んでいたところで、カバンを背負ったまさに晴そのひとが俺の前を通り過ぎた‥ところだった。

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