3 2/2

「今日も海苔弁がいいなあ」
「あぁ‥いや、今日は控えとこう、お惣菜あるから」
「お惣菜?」
「ああ、まあバイト先で分けてもらったんだけどな」

お惣菜って?
聞いたことあるけどなんだっけ‥‥なにしろ今日は海苔弁食べれないみたいで、なんかショック…。

「食べるだろ、お惣菜」
「…食べます」

お惣菜とは、容器に入ったおかず達のことだった。
俺が知っている料理ばかりだったけど、普段口にするものよりいくらか小さい。

「あの、恭祐さんはこれでお腹持つんですか?」
「ん?…まあ‥持つ、はずだったよ‥」

チラリと恭祐さんに見られて、いまいちわからなくて首を傾げた。

「も、もしかして俺迷惑だったですか?」
「や、いいよ‥てかお前は俺ん家なんか来てて大丈夫なのか?親とか」
「ああ!友達の家に行くといったら喜んでました、俺こういう友達ん家とか初めてなので」
「あ、そう‥つかさ、晴、敬語はやめようぜ。やりにくいし友達らしくねえよ、うん」
「そうですか?やりにくいですか?」
「うん」
「わかりました。」

敬語はやめます。敬語はやめる、やめる、やめる…。
でも少し不安だ、敬語を使わないのは家だけだったから、やめたことで俺の我が儘なところが出てしまったら。
気をつけようと心で沢山呟きながら、恭祐さんとはんぶんこしたおかずをつついた。
あ、恭祐って呼んだほうがいいかな。

*前 次#