07 2/3


よくわからなくなった、他の人と体を重ねることは俺に自信をくれるし肉体的な快感ももらえる。
別に浮気しなきゃ死ぬってわけじゃないけどせっかく心地良いものがあるのに使わないなんて、馬鹿だろ。
柚麻に気付かれないように、努力してたつもりだったけど気付かれててすごいビックリした。
ビックリしたけどああこいつ、逃げないなと思ったら安心できた。
柚麻は兎みたいだと思う、寂しいと死んでしまうから。
俺が優しくすると喜ぶし、浮気がバレたところで別れようとも言ってこない。ちょっと俺のせいで可哀想だけど俺には都合がいい。もっと悪く言えば思い通り。

「なんで?なんで約束、守ってくれないの?」

…今、悲しい?そうだよね。裏切られたもんね。
でもさよく考えて、いや、考えないで、なのかな。最近はよくわからなくなったんだ。

「浮気って何がいけないんだろうね?」

「ホッとするんだ」

柚麻を泣かせた。それでも帰ってくればきっと、ここにいる。
柚麻にもわかるよ、なんて言ったけど、それでもやっぱりここにいるんだろ?
ずっと俺が帰ってくるのを寂しく、待ち遠しく。

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