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「……え、」

あ、れ
あれれ、あ…
家の前で立ち尽くした。だってそこには俺より先に立ってる人がいたから。

「竜也…?」
「!」

振り向いた。あ…やっぱり竜也だ。
…なんで?
予想外すぎる人物に俺は固まってしまった。だって、竜也がいる!

「…柚麻」
「!……、荷物、取りに来たの…?」

自分で言った言葉に自分で悲しくなったから情けない

「あ、いや」
「竜也?」
「…カギなくて入れなかった」

?そうだね、

よく見たら竜也は出て行ったときと同じカバンを持っていた。
俺はカギを開けるふりして、竜也に抱きついた。もうこのまま俺の腕にカギをかけたい。なんて。今のはちょっと怖いか。

「…おかえり」
「…うん。中で、話したい」
「出てかないで」
「出てかないから」
「出てったらころすから」
「う、うん…柚麻、中はいろ。」

うん。頷いてガッチリ腕を掴んだまま家の戸を開けた。
…もう、帰ってこないと思った。
ずっとこのままで、俺から探しにいくつもりでいた。
でも帰ってきてくれた…嬉しい、
竜也が浮気してたとか、もうなんだっていい。

「…ただいま」
「おかえりなさい」

ただいまって言ってくれた。お邪魔しますとかだったらこの場でぶっ飛ばしてたかもしれない。

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