12(1/3)



「仁はもっと、自分の感情だしたほうがいいと思うよ。素直にさ」


友紀の部屋で、一緒に宿題をかたしながら言われた言葉に素直に返事できず、曖昧に唸った。
なぜなら全く同じように俺だって思っていて、素直になろうと努力して、でもなかなかっていうのが今の状況だから。

友紀に言われなくたってわかってる。ていうか、もう何回も聞いた。


「雅樹がなんで俺と付き合ってるかわからん」

「うん、僕も」

「も、しかしてだけど、からかわれてるとか、」

「ああ‥‥」

「えっ」


なんてまさか、雅樹がそんなことするやつだとは思いたくない。からかうとか。
でも、わかんないし。
俺にすごく優しくしてくれてるけど、まだ、好きって思われてはいないんだろうなってわかる。


「そういえばさっきの、感情出すってことだけどね」

「うん?」

「嬉しいときは嬉しいっていうとか、恥ずかしいときは恥ずかしがっとくとかそういうことだよ。
照れくさいからバーカバーカ言ってればいいってことじゃないからね」

「わかってるよ!」


それが難しいんだよ!
バーカって口癖みたいになっちゃってるの、なおそう。


「あと睨むのもやめなよ」

「…俺、睨んでた?」

「頑張って」


 

次#

戻る


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -