05(2/2)
「べ、つに、一人だって普通にできるけど」
「んー…でも俺もちょっと行きたい気もするし」
「えっ」
「えっ。引いた?」
「…別に」
全然引いてないよ!!
自然にも優しいイケメン!
「じゃ、そういうことでいいよな。この2日の9時に中庭な」
「…!わ‥かった。」
待ち合わせだあぁ‥!俺、夏休みに雅樹と会う約束しちゃったよ!
当番活動だけど!
「仁?…なんかにやけてるけど」
「はっ!なわけねーだろ!」
「そーか?仁は意外に自然とか好きなんだな。なんか庭でトマトとかとってそうだよな!」
「とってねえよ!」
それに俺が好きなのは別に、自然とかそんなわけではないし。鈍感め。
いや俺が分かりづらすぎるのか。
席を立った雅樹を追って俺たちはその教室を出た。
「そーいや仁ってなんで寮にしたんだ?」
廊下を歩いているところで雅樹に質問される。
今周りから見ると俺たちどんな関係に見えんのかなーなんて考えてむふむふしてた俺はちょっと不意打ちをくらった。
「えっ。ああ‥別に大した理由はねーけど、ちょっと遠いし、まあ楽しそうかと思って」
「ふぅん。で、実際楽しいの?」
「それなりに…くせーけど」
「ふはっ!絶対やだー」
あははっなんて軽く笑いあえたのはまあいいとして、しかし卒業までに雅樹が寮に移る可能性は絶たれたな…
もっと良いこと言えば良かった。
食堂のおばちゃんは昔美人だったらしい、とか。
ああ、後悔。
end
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