子供とは(2/2)



「おいもぐら、そろそろ寝る時間じゃねーのかい」

「…もーちょっと。この番組終わったら」

「あそ。俺は寝るからな」

「おやすみー」


前は、10時過ぎたら死んだように寝てたのに。

布団に潜って、ふと考えた。

あいつ、なんでこの家にいるんだっけ。

なんで。なぜだ。

そうだ、あいつが突然やってきて、ここは僕んちとかふざけたこと言い出したんだ。

なんだかんだで長いこと一緒に住んじゃってる。
でもずっとこのままってわけにもいかない。
当たり前だが。

侑李も大人になって、立派なもぐらになったら──立派なもぐらとはなにか、説明しろと言われたら難しいが──
いつかは家を出てくだろう。

きっとあいつは笑って出て行って、俺も笑って手を振る。

─寝よ。

まどろみ始めて視界が暗くなり始めたとき、ガラッと勢いよく俺の部屋の戸が開いた。
ビクッ


「智也!」

「…て…めえ…」

「一緒に寝よ」

「人が─寝てる時に─いきなり…!」

「すまない」


うぜーすまないじゃねーっつーの。つーかなんだよその枕はよ


「さっき怖い話みてたんだあ。あー怖かった。ねえいいでしょ?」


返事も聞かずに侑李はさっさと俺の布団にもぐりはじめた。
もぞもぞしとる。


「あったかー」


侑李がそう呟いたときには、俺はもう半分寝てた。

なんだ、こいつ意外にまだまだ子供。


end
まだ5歳だからね!多分

*前

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