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亮太side





昔見たテレビで、羊が狼に食べられている映像を観た事がある。

食されながらも、ピクピクと微妙に動く羊を見ながら、可哀想だと思った。

狼がとんでもなく悪い存在に見える。

可哀想な羊。
羊を食べた後、狼は何て事をしてしまったんだと思っただろうか。
深く反省しただろう。








「何なんだよお前…!」


更に数日がたったある日、俺の目の前に居る男は腹を立てて出て行った。

俺は1人になったベッドの上で、ブルリと震えて服を着た。
出て行った彼は言うならばいつかの鈴木君三世、夜の寂しさを埋めるのに使った体だけの関係。

どうして三人目なのかって、皆が俺の被害妄想(と、人は言う)に腹を立てさっさと離れていってしまうのだ。

耐えしょうのないやつらめ、と思った。


…それが普通なのかな。

もしかしたら昔から俺と仲良くなる友達がどんどん離れていくのも、
そのせい?


「……さむ…」


ぷちぷちとパジャマのボタンをしめて、バサリと布団を被った。

賢斗は、俺にどれだけ我慢していたんだろう。

どれだけ苦しかったんだろう。


わからない。


 

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